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人通りの少ない廊下に移動した
変に教室に入るよりは怪しまれないだろう。
改めて緑谷くんに質問をする。
ゆっくりと口を開く緑谷くん。
私は壁に寄りかかり、窓の外の空を眺める。
このことを話しても、
ただ緑谷くんに気を使わせちゃうだけかな...
笑ってみせるが、
緑谷くんの顔は真顔だった。
真顔というより...悲観的な顔かな
沈黙が下りる。
私はこれ以上話すことは無いし、緑谷くんもなんて言ったらいいのか分からない
そんな状況だろう。
先に沈黙を破ったのは緑谷くんだった。
力強い目で、私を見つめる緑谷くん。
その目は真剣で、優しさもあった。
ちょっとからかっているのは秘密だ。
私は壁から離れ、
更衣室に向かって歩き出す。
顔を真っ赤にしながら、
ボソッとなにか呟いた緑谷くん。
流石にバレたか。
と慌てながら、
また更衣室に向かって足を進めた。
*☼*―――――*☼*―――――
着替えに来るの遅くなっちゃったな〜と早歩きで更衣室に向かった。
ドアの近くまで行くと、
中から賑やかな声が聞こえてくる。
みんな、もう着替え終わってるんだろうな〜と思いながらドアを開けた。
ガチャ
もう準備万端の芦戸さんが、
立ち上がり私の方へやって来た。
女子全員 心の声『かわいい』
私を囲み、そう言ってくれるみんな。
なんか...すごい嬉しい。
みんなのことを、
友達だと思っていいのかな...
*☼*―――――*☼*―――――
梶さんー!!
お誕生日おめでとうございまーす!!
梶さんが演じるキャラクターランキング(?)で、轟くんが1位でしたね〜!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。