第10話

モジャモジャくん
4,238
2019/08/09 09:47
ど、どうする?

不審者?敵?

いきなり殴りかかってきたりしたら...


こういう時は、自己防衛...!!

よし、あと2歩進んできたら胸ぐらを掴んで...



オールマイト
燈立少女?
あなた

ふえっ?

いきなり話しかけられ、間抜けな声が出る。

勢いよく振り向くと、
あなた

お、オールマイト?

オールマイト
君は参加しないのか?
あなた

あぁ...はい

オールマイトに向けて苦笑いをする。

この苦笑いは、敵と思った人物がオールマイトで申し訳ないという気持ちも入っている。

殴りかからないでよかったぁ...
あなた

オールマイトはどうしてここに?

オールマイト
...ちょっと気になってね
あなた

...?

オールマイトはグラウンドを見つめる。

その先には、
あのモジャモジャ君がいた。(緑谷)
あなた

オールマイト、あのモジャモジャくん知ってるんですか?

オールマイト
...入試の時に気になってね
あなた

入試の時に?

私が質問をした時、
丁度モジャモジャくんがボールを投げた。

さっきと雰囲気が違うような...!




と期待をしたが『46m』という声。
あなた

...46m

オールマイト
っ...
相澤先生が個性を使い、(緑谷くんの)個性を消した。

ロープのようなもので引き寄せ、モジャモジャくんに何かを話しているようだ。


相澤先生
...暑苦しいヒーローが...
相澤先生
.....木偶の坊になるだけ...
所々しか聞こえないが、あの子はまだ個性が制御できていないようだ。

隣のオールマイトに目を向けると、
歯を食いしばっていた。

...そんなに感情移入してるのか。
あなた

あの、オールマイト

質問をしようとした時に、
モジャモジャくんの2回目が始まった。
あなた

...








2回目



モジャモジャくんは、先程とは違い
『705.3m』という記録を出した。


個性を使った...?


よく見ると、指先が紫色になっていた。
これが制御できないってことか

身丈に合わない『超パワー』
オールマイト
よしっ...
小さな声だったが、そう呟いたのが聞こえた


*☼*―――――*☼*―――――


結局、最下位の除籍処分は合理的虚偽
と誤魔化していた相澤先生。

うん、無理がある


相澤先生
君も?
相澤先生
ずいぶんと肩入れしてるんですね...?先生としてそれはどうなんですか それは...
オールマイトと相澤先生が話しているのを、少し先の角で盗み聞きをしている私。

結果が気になって、
教室に戻る時間がなかった。

どうしよう。バレる。



相澤先生
隠れても無駄だ
あなた

ギクッ

相澤先生
ずっと見てたのか...で、今何をしてる?
あなた

えっと、あの、勉強?

呆れた顔をする相澤先生。

怖い。
相澤先生
教室戻れ
あなた

はい!今すぐに!

こういう時は、逃げるのが1番だけど...
あなた

あの、モジャモジャくんの個性ってなんですか?

と、つい聞いてしまった。  

「モジャモジャくん?」と、
理解できない顔をしている。

私は、ボール投げの..怪我した!
と付け足した。
相澤先生
..個性届けには『超パワー』と書いてあった
あなた

やっぱり、超パワーか...


確か、『緑谷出久』って名前だった。
明日話聞いてみようかな...

相澤先生
..聞きたいことがある
あなた

へ?

あなた

私に?



少しの沈黙の後、相澤先生は口を開く。


相澤先生
お前の個性、『触れたものを変形させる』だけじゃないだろ
あなた

...え?

私は何も言うことが出来なかった。

プリ小説オーディオドラマ