ど、どうする?
不審者?敵?
いきなり殴りかかってきたりしたら...
こういう時は、自己防衛...!!
よし、あと2歩進んできたら胸ぐらを掴んで...
いきなり話しかけられ、間抜けな声が出る。
勢いよく振り向くと、
オールマイトに向けて苦笑いをする。
この苦笑いは、敵と思った人物がオールマイトで申し訳ないという気持ちも入っている。
殴りかからないでよかったぁ...
オールマイトはグラウンドを見つめる。
その先には、
あのモジャモジャ君がいた。(緑谷)
私が質問をした時、
丁度モジャモジャくんがボールを投げた。
さっきと雰囲気が違うような...!
と期待をしたが『46m』という声。
相澤先生が個性を使い、(緑谷くんの)個性を消した。
ロープのようなもので引き寄せ、モジャモジャくんに何かを話しているようだ。
所々しか聞こえないが、あの子はまだ個性が制御できていないようだ。
隣のオールマイトに目を向けると、
歯を食いしばっていた。
...そんなに感情移入してるのか。
質問をしようとした時に、
モジャモジャくんの2回目が始まった。
2回目
モジャモジャくんは、先程とは違い
『705.3m』という記録を出した。
個性を使った...?
よく見ると、指先が紫色になっていた。
これが制御できないってことか
身丈に合わない『超パワー』
小さな声だったが、そう呟いたのが聞こえた
*☼*―――――*☼*―――――
結局、最下位の除籍処分は合理的虚偽
と誤魔化していた相澤先生。
うん、無理がある
オールマイトと相澤先生が話しているのを、少し先の角で盗み聞きをしている私。
結果が気になって、
教室に戻る時間がなかった。
どうしよう。バレる。
呆れた顔をする相澤先生。
怖い。
こういう時は、逃げるのが1番だけど...
と、つい聞いてしまった。
「モジャモジャくん?」と、
理解できない顔をしている。
私は、ボール投げの..怪我した!
と付け足した。
確か、『緑谷出久』って名前だった。
明日話聞いてみようかな...
少しの沈黙の後、相澤先生は口を開く。
私は何も言うことが出来なかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。