あなたside
私は落ちた
ばずだった
そこには私の腕を掴んで今にも泣きそうな顔しているジェル先生がいた
私の中にあったモヤモヤが綺麗に消えた
心が少し軽くなって、涙が出てきた
もう少し生きてみてもいいかな
そう思った瞬間
私とジェル先生の手は離れる寸前だった
私のせいで迷惑かけてるのに私は何も出来ない
落ちる寸前なだけ
あっ、
離れる
そう思った
優しい手だった
私の手首辺りをギュッと掴んでくれた
皆居た、
来てくれた
見捨てられ、生きる価値のない私を助けてくれた
そう感じた
私は手を伸ばし、ななもり先生の手を掴んだ
そう言って優しく持ち上げてくれた
地に足を付けた私は、上手く力が入らなくて倒れ込んでしまった
そう言って優しく撫でながらブランケットを掛けてくれた
私は小さく震えながら涙を流しているだけだった
ころんside
あなたちゃんは震えながら泣いていてるぅとくんが話しかけてるけどあんまり反応してないし
そう思ってたら急に口を開いた
声も震えていた
この位置丁度死角になるんだよなぁ
僕は笑いながらそう言った
あなたちゃんを不安にさせない様に
でも、実際ジェルくんは安心仕切ったのか、落ちてしまうと思って怖かったのか
分かんないけど今は僕の横で静かに泣いている
あなたside
そう言ってななもり先生は手を伸ばしてくれた
でも、私は怖くて手を取れなかった
ずっと自分の身体が震えてて止まらない
涙も静かに流れてる
どうしても力が入らなかった
そんな私を見兼ねたななもり先生が
そう言った
でも、私は
少し怖かった、反論したら怒れる
そんなのずっと分かってたけど、今は嫌だった
困ってた、
なんでだろ、ジェル先生、さっきから口数も減っちゃったし
嫌だった、でもこれ以上迷惑掛けられなかった
だから
ちょっと驚いて居たけど、この4人の中じゃ1番優しそうに見えた
私は頷いた
ころん先生はわたしを軽々持ち上げた
そんな話をしていた
そして最後に聞こえた
ジェルくんは?大丈夫そう?
え、先生がどうしたの?
……全部全部、私のせいだ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。