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第3話

ガタンゴトン

乗り込んだ電車は、重岡くんと同じ車体。

もちろん重岡くんとは少し離れた席に座る。

適当に本でも読んで、
時々重岡くんの整った横顔を見つめる。

これが私の日課だ。

こんなこと重岡くんに知られたら、気持ち悪がられるかな。


……まぁ、存在さえ知られていないからそんな心配はいらないだろうけど。


自分で言っといて何だけど悲しくなるなぁ…笑





気を取り直して、

今日の本は、私のお気に入りの本。

『星の王子様』。


小さい頃にお母さんに読んでもらったから、
高校2年生になった今でもずーっと
私の中で一番好きな本だ。


早速、パラパラとページをめくり始めて、
本の世界へと吸い込まれて行く。







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物語は中盤まできたところだ。


目が疲れてきたので、重岡くんを見て休憩しよう。



そう思い目線をあげたとき。







「 自分その本好きなん?
俺もそれ、めっちゃお気に入りやねん! 」





そこには、いつも遠くから眺めていた満面の笑みでこちらに話しかけてくる重岡くんがいた。


いつの間に移動したんだろう。

さっきまでドアの近くの席に座っていたのに、
今は私の目の前に立っている。



「 隣失礼しまーす。 」



と言って私の隣にどかっ、と座った重岡くん。


多分、私の顔は今真っ赤だ。



「 やっぱさー、なんかこの物語も最高やけど、絵のタッチとかもええよなー。 」



「 分かりますっ
なんかこう、独特な可愛い絵、私のお気に入りなんです!」


って、あ………


今わたし重岡くんと喋った!?



「 せやんな!!
なんか俺の周りの奴らは全然理解してくれへんから、なんか嬉しい。 」


ふにゃ、っと笑う重岡くんは、

それこそほんとに天使みたいで、

近くで見るとさらにかっこいいなぁ。

なんて、気づけば私の頬も緩む。