藤原side
楽屋にて
もろもろ収録を終えて大橋がまだおるホテルに戻る
今日チェックアウトして家に帰る、はずやった
全員分のプリンが入った袋を片手に大吾が先頭で歩き、
ホテルの廊下を歩く
.....♩......♬
楽屋に近づくにつれて、音楽が聴こえてきた
リーダーの部屋のピンポンを押す
...ピーンポーン
.........いつもなら、「はーい!!!」と
元気すぎるくらいの声で出てきてくれんのに
寝ているなら
みんなで乗り込んで驚かしたろ
そんな流れができていた
...ガチャ
先陣切って謙杜が飛び込む
それに他のメンバーが続いた
ベッド、ではなく
確かに床に誰かの足があるのが見える
嫌な予感が胸をチクリと刺した
雪崩れ込むように全員が部屋に入って
大橋に駆け寄る
エンドレスに設定された
ダイヤモンドスマイルの音源が鳴り響く部屋で、
大橋は倒れていた
そして、痙攣を起こしていた
恭平が誰かを呼びに走って行った
ガサリと音を立てて大吾の手から
ビニール袋が滑り落ちて
隙間からプリンの容器が転がる
咄嗟に駆け寄って
痙攣して暴れる体を抑えるように胸に抱え込んで
声をかけた
冷静?
そんなん何もない
焦りでしかない
心臓がひたすらにうるさくて
みっちーと大吾が大橋の手を握った
そう言って流星が部屋を飛び出した
痙攣がおさまって
うっすらと大橋の目が開く
なんか口が動いてるから
耳を近づけたら
思わず声が大きくなって
大橋を掴む手に力がこもった
こっちが言う大丈夫とお前の大丈夫はちゃうやろ
大丈夫なわけないやろ
何を言うてんねん
しんどいやろ、熱いやろ
痙攣なんか絶対苦しい
こっちは大橋を安心させるために、言うたのに
こんなときでもそんなこと言うん?
いっつもそうやん
「迷惑かける」「大丈夫」
それがお前の口癖なん?
そういうのいらんって、
大橋の瞼がだんだんと落ちていく
返事がない
腕の中が、ずんと重くなった
危険な重さがする
信じてる、信じてるけど
最悪な想定ばっかりが頭の中を駆け巡っていた











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!