僕の目の前で眠っている、好きな人。
僕と3歳しか違わないのに、先生だからって無理しちゃって。
そんなとこも好きだけど、やっぱり少し心配だ。
呪言なんか使えなければ、僕は『好き』と伝えられるのに。
呪ってしまうかもしれない、強制的に僕のことを「好き」にさせてしまうかもしれなくて、
『好きだ』と言えない。
もし僕が呪言なんて気にせず春香先生と話せたら。
どんなとこが好きだとか、どれくらい好きだとか、
自分の発する言葉でしか分からないところまで伝えられるのに。
携帯のメモアプリで伝える「言葉」とは別物の「言葉」で、
先生に沢山伝えたいことがあるのに。
棘:、、、は、る、、か、せん、、、せ、、?
春香:んぅ、、、
棘:ビクッ?!
起きちゃった?!
もしかして、聞こえちゃった?!
何も無いよね、どこも、おかしくなってないよね、、、?!
ガチャッ
哲:春香っ、、!!!
棘:?!
春香:んっ、、、あれ、哲、、、?
棘:高菜っ、、?
春香:あれ、狗巻くんも、、、大丈夫だよ、心配してくれてありがとうね。ニコッ
棘:っ!!しゃ、しゃけっ、、////
哲:、、、狗巻くん、もう春香のことは良いから、五条先生のとこ、行って来な?後は僕が、、
棘:おかか。
哲:え?ごめん、何言ってるか、、
棘:おかか、おかかっ、、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!