第5話

裁判
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2021/06/05 09:33



「これからおいおい説明はします」
『うん』
「さぁ、行きましょう」
『裁判って怖い??』
「罪を犯してない限り怖くはありませんよ」
「大抵、天国に来るのは善人ですから」
「その最終チェック的な感じですね」
『ふーん…』

私は善人ってことか
まぁ、悪さなんてしたことないから当たり前か

〜裁判所〜
『なんか眩しいね』
「最高神様がいらっしゃいますからね」
『最高神ってだれ??』
「ご存知ないですか?!」
『え、うん』
「最高神とは、国産みの伊邪那美命様や、天照大御神様など、国づくりに携わった方々ですよ?!」
『私、ろくに学校とか行けてないから……』
「コホン…それは失礼」
「うう"ん!!」

ビクッ

「次の者!!参れ!!」
『は、はい!!』
「行きましょうか」

ギィィィー

重そうな扉が開く

【あら、随分お若いですね…】
【若くして亡くなってしまったのか…】
【お可哀想に…】
「そっ、それでは皆様、御手元の資料をご覧下さい」
「蒼梛藍華。享年17歳。死因:線路への転落死」
「彼女は持病があり、幼い頃から病院に通っておりました。そのため、なかなか思うように生きることが出来なかったようです」
【まぁ……】
「彼女は、自由に生きることを望んでいます」
「出来ることなら家族と3人で仲良く暮らしたい」
「これが彼女の願いです」
【…藍華さん…で合ってます??】
『は、はい!!』
【スッ】
いきなり手が伸びてきた

ビクッ
【お可哀想に…】
【あなたには今、2つの選択肢があります】
『選択肢……??』
【1つは、今までの記憶を全て消して、生まれ変わる】
【もう1つは、記憶はそのままで天国で暮らす】
【どちらがいいでしょうか】
『……仮に生まれ変わるとして、実の両親の元へは行けないってことですよね??』
【そうなりますね】
『……』
【我々としては、自由に暮らせる天国の方がいいと思います】
『天国で暮らしてて、家族に会いに行けますか??』
【月に1度でしたら】
【それは規定なので、我々で変えることはできません】
『…そう……ですか…』

新たに生きることなんてできない
私はあの両親あってこその私だ
記憶を…絶やしたくない
現世の方が苦しかった
だったら
私の選択は

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