第11話

ご飯は…??
2,040
2021/07/02 12:32



ピンポーン

「はーい!!」

ガチャ

「あれ?!藍華ちゃんッスか?!」
『こ、こんばんわ』
「こんばんわ!!どーしたの??」
『あの…』
『百恵さんからちらし寿司頂いたんですけど、1人じゃ食べきれないんで一緒にどうですか??』
「えええええ?!」
「俺なんかとでいいんですか?!ハトさん呼びましょうよ?!」
『あの人はうるさいから嫌です』

シュタッ

「お呼びですか?!」
『呼んでねぇよ!!』
『なんで来た!!』
「私の名前が聞こえたので☆」

地獄耳かよこの野郎

「まぁまぁ!!お祝いなんですから、人数は多い方がいいですよぉ〜!!」
「あと、入居式もそのうちあるので楽しみにしててくださいね〜」
『入居式??』
「めちゃくちゃ歓迎会って感じッス!!」
「飲んだり食べたりしてみんなで親睦を深める会みたいな〜」
「死んじゃったのは残念だけど、天国では楽しもう〜!!みたいな」
「とにかくワイワイ騒ぐ感じッス!!」
『へぇー……』
「興味なさそッッッ」
『騒ぐのあんま好きじゃなくて…』
「もったいないッスよ!!騒がないと!!」
「それより藍華さんはお仕事を決めないとならないのです!!」
『何こいつ』
「張り切る時は張り切るんです」
『お仕事ぉぉぉぉ??』
「そんなに可愛くへにぁってなってもダメです!!」
「天国の人達はみな、働いてますよ!!」
『蟻かよ』

だる…
なんで働くのよ…

『私たちが働く理由ってなに??』
「そぉですねぇ…」
「……藍華さんは、歳をとって亡くなる以外の天国に来る方法はご存知ですか??」
『え、自殺とか??』
「自殺、他殺、過労死、事故死、病死、圧死」
『怖い怖い』
「まぁ、要は生前満足のいくように働けなかったり、生きられなかったりするんです」
「そういう死に方をした人達は」
「遊びたいっていう人も多いです」
「ですが、皆、特にサラリーマンなどはブラック企業じゃなくホワイト企業で働きたい」
「どうせ天国に来たんなら、現世では出来ない仕事をしたい」
「働いた分、ボーナスもありますし」
『へぇ』
『例えば??』
「そうですねぇ…」
「現世に行く回数を増やすとか」
『そんなことできんの?!』
「はい、可能です」
『え、でも最高神様たちは…』
「あぁ、あれは神様方の力ではなく自分の力で道を切り開いてこそ、生きるという意味だと考えていらっしゃるからですよ」
「要するに、与えられてばかりの人生はつまらない。どうせなら楽しもう!!って感じですからね」
「そうッスよ〜!!楽しみましょ!!」
『でも蒼空くんのお仕事って…』
「運び屋ッス」
『運び屋?!ドラッグ?!』
「違うッスよ!!」
「俺は力持ちなんで、どうせならこれを活かせる仕事に就きたいな〜って思って!!」
『天国なのに、現世でも珍しくない仕事なんだね』
「そうッス!!」
「ハトさんみたいに案内人になる人も多いです」
『えっ』
『ハトさんって…』
「はい、私も元々死者で、天国にやって来ました」
『案内人の人達って、元から天国の人だと思ってた』

だって凄い慣れてるじゃん

「元から天国の方も、もちろんいらっしゃります」
「でも、大体はここに来た死者です」

…そういえばご飯食べてないや
お腹空いたんだが??

プリ小説オーディオドラマ