第36話

アタリ
1,024
2022/01/24 12:48



プルルルルルル

ペンちゃん「はい、こちらペンギン」

今は捜索の幅を広げて、アジトと思われる別荘を探しまくってる
現世の現世官にも協力願いを出した
相当な人員を割いてくれてるらしい
ありがたいと思う

ペンちゃん「お、イルカか」
ペンちゃん「そこはどーだった??」
イルカ「ここは違った」
インコ「えー??怪しそうだったんだけどなぁ」
イルカ「ま、そう簡単に見つかってたまるかってんだ」
『イルカさん、次はどこ行く??』
イルカ「そうだねぇ…」
イルカ「ここから近いのは??」
ハト「たぶん静岡」
ペンちゃん「いや……東京……??」
『めちゃくちゃ微妙なところにいるねww』
イルカ「はぁ……」
イルカ「ま、現世官の私らも瞬間移動は使えるから」
イルカ「他の奴らが行ってないとこは??」
ペンちゃん「あ、茨城だ!!」
イルカ「OK行ってくる」
イルカ「座標は??」

現世官の人たちは瞬間移動をする時には
移動したい場所の座標とかを紙に書くらしい
魔法の紙??って言ってたなぁ
ほんとかどうかは知らんけど

『北緯36°、東経140°!!』
イルカ「はーい、ありがと」
ペンちゃん「またなんかあったら連絡してくれ」
イルカ「わかった、んじゃまた」

プープー

『今んとこアタリなしだね…』
インコ「そりゃすげぇ量だからなぁ」
ハト「それでもやってのけるのが案内人だろ」
ペンちゃん「今探してくれてんのは現世官な」
『まぁ、どちらにせよ??ww』

プルルルルルル

ペンちゃん「おう、どした」
イルカ「おぇっ……」
ペンちゃん「どうしたイルカ?!」
イルカ「その座標の場所に飛んだら…」
イルカ「アタリだ……お"ぇっ…」
ハト「何見た?!」
インコ「なにがあった?!」
『イルカさんは無事?!』
ペンちゃん「…イルカ、そこを動くなよ」
ペンちゃん「これはお前らの問題だ」
ペンちゃん「だから、お前ら案内人が自分の目で見てきた方がいい」
ハト「…そうだな……」
ペンちゃん「ついでにイルカを天国こっちに連れて帰ってきて欲しい」
『わかった!!』
インコ「イルカ、待っとけ!!もうちょっとの辛抱だ!!」
イルカ「う"ぅっ…」
ペンちゃん「これ渡しとく」
『ん??ムヒパッチ??』
ペンちゃん「ちゃうわ!!骨伝導式マイク!!」
ハト「なんそれ」
ペンちゃん「俺と弟の力作!!」
ペンちゃん「兼形見…的な」
『ありがたく使わせてもらうね』
インコ「ええっ?!形見って言うたやん!!」
『ペンちゃんはそんな大事なものを私らに貸してくれるんだよ??その信頼を裏切ってどうすんの』
ハト「その通りだな」
インコ「壊したら……」
ペンちゃん「弁償☆」
インコ「気をつけます…」
ペンちゃん「電話でもあるしマイクでもあるから、そっちの会話も聞こえる」
ペンちゃん「カメラは…インコの目に繋げとく」
インコ「俺??」
『え??どゆこと??』
ペンちゃん「インコの仮面の目にカメラつけるだけ」
ハト「あー、豆粒」
ペンちゃん「うるせぇ!!まめ太だ!!」
『ネーミングセンスwww』
ペンちゃん「ほい、おけ」
ペンちゃん「それじゃあ、健闘を祈る」

パチンッ
ペンちゃんが指を鳴らした

ハト「着いた……か??」
インコ「う"っ?!」
『え…』

思わず言葉が出なかった
なんでって、目の前に現れたのは
人の骨の壁だった
辺り一面骨まみれ
みんななにも言えなかった

『……どういうこと……??』
ハト「…カタコンベ……」
ペンちゃん「うっ……」
ペンちゃん「…ごめん」
ペンちゃん「カタコンベは俺が作ったゲームの中にでてくるんだ……ダンジョンで」
インコ「そこから引っ張ってきたと??」
『そんな……』
ハト「……悔やんでたってしょうがない」
ハト「とりあえずよく見てみよう」

……??
名前??
大迫…未来…


連続殺人事件…性行為後の相手を殺害後死体を切り刻み海に廃棄、その情報を檸檬が発見し、抹消
乾伸一郎いぬいしんいちろう
幼稚園生ひき逃げ事件からの半年間逃走、その後絢斗が足跡を見つけ、抹消

『抹消…』
インコ「消したってことは…」
イルカ「殺したってことよ」
『ぎゃあああ!!』
ハト「大声出すな!!」
『び、ビビった…』
ハト「つまり…ここに眠ってる全員が……『シシリアン・ディフェンス』に殺された…??」
『と、とにかく先にイルカさんを天国に送ろ?!』
イルカ「ごめん…まじで体調悪くなった……」
『協力してくれてありがとうございました!!』
『そんでほんとにすみません…』
イルカ「いいよ、悪いのはクジャクちゃんじゃないし」
『それじゃあ……天国へ』

パチンッ

ヒュンッ

ペンちゃん「…おかしいな……」
ハト「なにが??」
ペンちゃん「俺らは一般人でめちゃくちゃエリートとかそういう訳でもないし、ただ普通に過ごしてた」
ペンちゃん「でも、この眠ってる人達の中には有名人だったり、優秀な人だったりが多い」
ペンちゃん「しかも、『何らかの事件を起こし、それを消そうとした』人達」
『…もみ消そうとした??』
ペンちゃん「そう、自分のキャリアのため??」
インコ「…気味わりぃ……」
ペンちゃん「インコ、もっと近づいて」
インコ「えぇ…??」
ペンちゃん「……」
『ますます意味がわかんない…』
『そういう「犯罪者」だけを殺すならまだしも、私らはなんで??』
ペンちゃん「……10年前の日付だ」
『10年前??』
『でも、最初の被害者のフクロウさんは8年前って…』
ハト「……」
ハト「あ」
インコ「なんだ」
ハト「…もしかしたら、だぞ??」
ハト「檸檬とか絢斗とか凌とか優真って人の名前だよな??しかも結構な頻度で出てくる」
ハト「そいつらが元の『シシリアン・ディフェンス』」
ハト「んで、8年前から変わってしまった」
インコ「ペンちゃんの弟が死んだのも8年前…」
ペンちゃん「……檸檬………」

ペンちゃんさんが掠れた声で名前を呼ぶ
今はもう亡き弟の名を
二度と会えないこの苦しさを、どう表現すべきだろう

ガサッ

ビクッ?!
『え、なに?!』
ハト「一応隠れるぞ!!」

?「あれ??なんとなく人の気配がしたんだけどな」
?「気のせいじゃないっすか??」
?「…おまえは下がってろ」
?「はい、リーダー」

カツカツカツカツ

リーダーと呼ばれた男がこちらに向かってくる?!
『やばいよ…』
ハト「安心しろ、現世の人達には俺らは見えてない」
インコ「声も聞こえないから、大丈夫」

?「……ハァ…」
?「裏社会のボス…俺、もうどうしたらいい??」
?「俺だけ1人残されて……お前らが居ねぇと…もう歯止めが効かねぇよ」

みんな「……」

みんなで息を潜めて『リーダー』の独り言を聞いている
懺悔…なのだろうか
悔やんでいるようにも聞こえる

ハト「…一旦帰ろう」
『確かに、場所はわかったし』
インコ「ペンちゃん??」
ペンちゃん「……あ、ごめんわかった」

彼は…彼が本当に人を殺してるのだろうか
そんな風には見えない
至って普通な見た目の社会人にしか

でも、これでもかなりの進歩だ
アジトの1つを見つけられただけでもまだいい
この調子でまた地道に手探りでやっていくしかないだろう

どうせ自分らは死んでるんだ
怖いものなんてなにもない







遅くなりまして…スミマセン
ほんとに🐢だし不定期です……
でも、今回はめちゃくちゃ進みましたね!!
やっと『リーダー』も見えました!!
でも、藍華の目にはとても『悪人』には見えなかった

それでは、次回もお楽しみに〜!!

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