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第3話

初耳なんですけど
息を呑んだ。


四人の幼馴染みたちは、驚くような素振りもなく、兄に言われて畳の上に座る。
あなた

ち、ちょっと、待って! えっ!?

御堂 夏祈
御堂 夏祈
……あなた、大丈夫か?
あなた

大丈夫、じゃないけど。
それよりも、待って。
みんなが、あやかしってこと……?

御堂 夏祈
御堂 夏祈
そうだ。
人間に化けているから見た目じゃ分からない。
君たち、改めてあなたに自己紹介しなさい

私はまだ混乱しているというのに、四人は頷いて、兄の言葉に従う。
葛葉 白夜
葛葉 白夜
く、葛葉くずのは白夜です。
白狐はくこの家系です……
廣内 渉
廣内 渉
廣内ひろうち渉。
八咫烏やたがらす
大峰 惟月
大峰 惟月
……大峰おおみね惟月。
玉兎ぎょくとの血筋だけど、別に弱いわけじゃないから
宝来 聖
宝来 聖
宝来ほうらい聖。
ばくの血を引いてるよ~

中には聞いたこともないあやかしの名前もあった。


本当に彼らがそうなのかは、到底信じられそうにない。
あなた

あ、あはは……。
これ、みんなでドッキリを仕掛けてるんだよね?
そうだよね?


嘘を言わないはずの兄まで巻き込んで、いったい誰が発案者だろうか。


信じかけてしまった自分が馬鹿らしくなって、乾いた笑いが生まれる。
御堂 夏祈
御堂 夏祈
百聞は一見にしかず、か。
みんな、一部でいいからちょっと姿を見せてあげてくれないか?
無理はしなくていいけど

兄は至って冷静に、彼らに変なことを提案した。


白夜くんと渉兄ちゃんは頷いたけれど、惟月先輩と聖くんは渋い顔で首を横に振る。
葛葉 白夜
葛葉 白夜
あなた、見てて
廣内 渉
廣内 渉
びっくりしすぎて気絶すんなよ?

名前を呼ばれてふたりに視線を向けると、白夜くんの頭頂部からは白くてふわふわした獣の耳が、渉兄ちゃんの背中からは漆黒の翼が、一瞬にして現れた。


現れたというより、生えた。
あなた

っ……!?


手品だとは説明できないほど、リアルだ。


そして、不思議と彼らに似合っていた。
葛葉 白夜
葛葉 白夜
これが、狐火

私がもっと信じられるようにと、白夜くんは気を遣ったのだろう。


手のひらに火の玉を浮かべ、それを私に見せた。
あなた

(う、浮いてる……)


ここまで見せられたら、信じないわけにはいかない。


でも、私の脳は理解するのをストップさせた。


視界が左右から狭まり、真っ暗になっていく。



***


御堂 夏祈
御堂 夏祈
ごめんなぁ……。
兄ちゃんが早いうちから言って聞かせれば、こんなにショックを受けないで済んだのに

兄の泣く声が聞こえた気がして、私は目を開けた。


兄と、幼馴染みたちの顔が私を覗き込んでいる。
あなた

あれ……?


どうやら気を失ったあと、兄が膝枕をしてくれていたらしい。


兄は腕で顔を拭い、作ったばかりの笑顔を見せる。
御堂 夏祈
御堂 夏祈
目が覚めたか
あなた

う、うん……。
なんか、悪い夢を見てたみたい


体を起こし、白夜くんと渉兄ちゃんを見ても、普通の人間の姿だ。


どこまでが現実で、どこからが夢だったのか。
宝来 聖
宝来 聖
違うよ。
お姉ちゃんの悪い夢は全部僕が食べてるもん。
さっきのは夢じゃないよ
あなた

……え

宝来 聖
宝来 聖
貘は悪夢を食べるって伝説、聞いたことあるでしょ?
お姉ちゃんは悪夢を見ないんだよ

言われてみれば、今まで見てきた夢はいいものばかりで、嫌な経験がほとんどない。


両親を亡くした直後も、夢に見るのは家族四人の楽しい思い出ばかりだった。
あなた

じゃあ、さっきまでのは……現実?

大峰 惟月
大峰 惟月
そうだって言ってるじゃん。
もう、しっかりしてよね

惟月先輩がちょっと怒りつつも、心配そうに私を見ている。


できることなら夢であってほしかったと頭を悩ませていると、兄の咳払いが聞こえた。
御堂 夏祈
御堂 夏祈
紹介が終わったところで……。
しんどいだろうけど、話を続けてもいいか?
あなた

……うん


もうこれ以上驚くことはないだろうと、半ば投げやりに頷く。
御堂 夏祈
御堂 夏祈
花婿の選定期間はあと約三年。
あなたが成人すると同時に、嫁入りする。
これも掟で定められているんだ
あなた

さんねん……。
三年!?
え、成人と同時って、私大学に行くつもりで……

御堂 夏祈
御堂 夏祈
大学は行っていい。
その場合は学生結婚になるけど
あなた

…………


あと何度、驚けばいいのだろうか。


【第4話へ続く】