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第13話

葛葉白夜との一日
勉強会のあった日から数日後。
あなた

な、なんか緊張するな……


葛葉家の玄関の前に立ち、ひとり深呼吸をした。


今までなら平気で押していた呼び鈴も、心の準備がいる。


今日は、白夜くんとふたりきりで過ごす日だ。


四人とも、兄・夏祈の前で『互いに邪魔をしない』という約束を結んでいるので、本当に誰も来ない。


そして、何をして過ごすかについては「こういうものは、男がエスコートするべきだ!」という兄の一言で、男子側に任されることになった。


よって、私は何も知らない状態だ。
あなた

(あの時の白夜くん、青ざめてたな。
大丈夫かな)


田舎なのでレジャー施設も多いわけではないし、その上白夜くん自身が比較的静かに過ごしたがる性格だ。
葛葉 白夜
葛葉 白夜
『当日は、うちに来てもらえると嬉しい』

そう誘われたので、今私はここにいる。


呼び鈴を鳴らすと、中から玄関が開けられた。
葛葉 白夜
葛葉 白夜
い、いらっ、いらっしゃ、しゃい……

白夜くんは、ガチガチに緊張していた。


それはもう、私の緊張なんか微々たるものに思えるほどだ。
あなた

お邪魔します……。
あの、大丈夫?

葛葉 白夜
葛葉 白夜
こ、これなら、みんな居てくれた方がよかったかも……
あなた

あはは

葛葉 白夜
葛葉 白夜
うう……。
もっと堂々としたいのに……

白夜くんのおかげで、私の方は緊張がほぐれていった。
あなた

(海辺で「失せろ」って言った人物と同じだとは思えないな)


昔から少し内気で、どちらかと言えば控えめな性格の彼が、とても頑張ってくれている。


私を意識するが故の態度に、照れくさくてつい笑ってしまった。
あなた

無理しないで。
普段通りでいいよ。
逆にいつもより堂々としてたら、白夜くんらしくないかも

葛葉 白夜
葛葉 白夜
……そう? そっか、よかった

本心を伝えると、白夜くんは安心したように頬を緩める。
あなた

(うわあ……綺麗)


あまり見たことのない、美しすぎる微笑に、ドキリとした。


白夜くんは、学校の女子から神様のようにあがめられていて、彼と親しい私はよく嫉妬される。


でも今は、そんな女子たちの気持ちも分かってきた。
あなた

(こんな綺麗な男の人が近くにいるのに、なんで今まで意識しなかったんだろう……?)


近くにいるのが当たり前過ぎて、感覚が麻痺していたのかもしれない。
葛葉 白夜
葛葉 白夜
あなた、見せたい物があるから、俺の部屋に来てくれる?
あなた

うん。
そういえば、白夜くんの部屋、久しぶりだ


幼稚園生の頃は、よく白夜くんの部屋で一緒にお絵かきをしたものだ。


あの頃から、彼はとても絵が上手かった。
葛葉 白夜
葛葉 白夜
どうぞ
あなた

わっ……すごーい!


白夜くんの部屋に入ると、部屋一面に絵画が飾られていた。


水彩画だ。


絵画展に並んでそうな、優しくて繊細で、温かい絵の数々。
あなた

いつの間に、こんなたくさん描いたの?

葛葉 白夜
葛葉 白夜
えっと、休みの日はだいたい描いてるかな
あなた

これ、プロレベルじゃないの?
凄く素敵……

葛葉 白夜
葛葉 白夜
ありがとう。
最高の誉め言葉だ

白夜くんは自分の特技を見せびらかすような性格ではないことを、私は知っている。


だからこそ、こうして私に見せてくれたことが、とても嬉しかった。


【第14話へ続く】