1度は別れようとも思った。
でも、良くんのいるグループの
メンバーさんや両親に食い止められた。
『絶対に思い出すから。思い出させるから』
そんな事言われたな。
まぁー、入院してから数ヶ月
思い出す事は今のところないんやけどね
引き出しに手をかけて
薬を取り出す
良くんに薬を渡して
帰りの支度をする
その一言だけ残して
病室の扉を静かに締める
心の中でそう呟き歩きだそうとすると
後ろから声をかけられて振り向くと
そこには良くんと同じグループの
末澤くんがいた
末澤くんに思ってもない一言を言われた
もちろん彼に深い意味がないのは知ってる
だって良くんのメンバーやし
私がマネージャーを担当してる
人でもあるんやから
ガシッと腕を掴まれて
はんば無理やり部屋に戻される
うん。実は本当に大丈夫。
仕事って言っても私はAぇgroupの
マネージャー
今は滝沢くんが傍に居てやれって事で
配慮してくれて長期の休暇を貰ってる
•*¨*•.¸¸♬︎
自分の鞄からスマホを取り出し
着信相手を確認してから
病室の外に出て電話にでる
電話を切り病室に戻り
末澤くんに電話の内容を伝える
末澤くん……歯切れ悪いから
普通に言えばいいのに
微妙な雰囲気になり
その場にいるのにはちょっと辛かった
から病室を一旦でる事にした
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。