阿部side
歩き始めて少し経つ。
外は寒くて息をはくと白い。
目黒「阿部くん寒いですか?」
『ちょっとだけね……』
そういうと目黒はつけていたマフラーを俺に巻いた。
『目黒寒いでしょ。俺大丈夫だから』
返そうと思ったら
目黒「大丈夫です。俺寒くないので付けてください」
目黒は俺よりうすぎなのに……
『先輩だからって気にしないでほら』
目黒「じゃあ後輩からのお願いです。つけてください」
『ありがとう。』
目黒は歩き始めた。
そんな目黒をかけはしで追いかける。
追いついたと思ったから
目黒「阿部くん行きますよ。」
走り始めた。俺はその人姿を見て
自然的に体が動いた。
『目黒。まって~』
目黒「阿部くん行きますよ。早く早く」
『うん。』
電車に乗り、空いている席を見つけた。
『目黒。空いてるよ座りな』
目黒「僕たって居たいので座ってください」
『いいの。ありがとう』
目黒は俺の目の前に立っている。
『目黒目黒。あのさ』
その時大きく揺れて目黒が倒れて来た。
今壁ドン状態。
目黒「ごめんなさい。」
『気にしないでって目黒顔赤いよ。大丈夫?』
やっぱり寒かったんだ。おれのせいで……
『本当にごめん。俺のせいで……』
目黒「いえいえ阿部くんじゃないです。寒くなかったのは事実ですし」
目黒「ボソッ))原因は阿部くんなんだけど……」
『そうなの。安心した良かったよ。』
その後目的の駅で降りて
残り7人の待っているお店に向かった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!