第32話

可愛くて格好いい後輩
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2021/09/29 12:07
菅原さん視点(口調変だったら申し訳ないです)




あなたに俺が最初にもったイメージ

 


最初はスゴい奴が来たな……って思った


清水がマネージャーとして連れてきた1年生は、ごりごり不良の見た目だった。髪は目立つピンクゴールドで、ピアスは着けてるし、ブレザーではなく大きめのパーカーを着ていた。切れ長の目は鋭い。


もう既にやっちゃんがいたから、無理にマネにしなくてもいいのでは?というのが最初の俺の考え。

申し訳ないけど


大地が歓迎したし、他の奴等も全然気にする素振りを見せなかったから諦めた。


「全然いいべ」とか心とは違うことを口にした


俺、爽やかでやってるからな~



「佐野あなたです」



そう名乗ったあなたは見た目に反して、ちゃんと敬語を使っていた。


無表情かと思えばにこにこ笑う子だった



何だ、いい子じゃんと思った途端


レシーブで飛んでいったボールを思いっきり蹴り飛ばして、壁に穴を開けた。


蹴るときの目が獲物を狙う肉食動物のそれでゾワッときた



思いっきり不良じゃん?とか思ってたら



頭は良くて学年1位



もはやどういうことだよ、と顔には出さずに内心テンパっていたのは内緒



あなたが入部して、二日後の放課後。後輩たちに肉まんを奢った。


「私、独り暮らしですよ?」


東京から来たらしいあなたは独り暮らしをしていると言い、大地と旭が馬鹿みたいに心配していた。さすが、おとんだな~


ブーブーと聞こえるバイブ音。携帯を開いて、あからさまに嫌そうな顔を見せたあなた。


あなたが電話に出れば、明らかに男の声が聞こえる。


いつも敬語で、わりと穏やかに笑っているあなたが聞いたこともないくらい乱暴な口調で話している。


かと、思えば急にでれでれと話し出して




そんなコロコロと変わる表情を見ていたら思わず笑ってしまった









「菅原先輩、お疲れさまです」と言いながらタオルやドリンクを渡してくれる、あなたに爽やかにありがとうと返しながらも心臓はうるさい。




にこにこと笑いながらやっちゃんや清水と話す姿は可愛くて





自分より大きい男の顔面蹴っ飛ばす姿は格好よくて







あぁ……


これはきっとあれだ。






俺、見た目は爽やかにしてるけど


いくら家族が不良ばっかでも、知り合いに不良が多くても





容赦はしねぇべ?

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