第59話

すれ違いからの喧嘩勃発
1,339
2021/10/03 06:06
宮城についたのは外が暗くなった頃。
バスの中でまた仁花ちゃんの枕役をしながら、外を眺めていた。ちょっとだけ、寂しいなーとか思ったり思わなかったり。


「明日は体育館に点検作業が入るので部活はお休みです」



「「「はーい」」」


明日休みか……

何しよう


ぞろぞろとみんな帰路につく。
仁花ちゃんは日向と影山の練習に付き合うらしい。私も付き合うよと言ったけど、大丈夫だよ!と言われた。私が独り暮らしだからか
気を使ってくれたらしい。


ジャージのズボンにTシャツとパーカーのまま

あ、イザ兄にパーカー返すの忘れてたな………





すん…





「へへ…イザ兄の匂い」





今のイザ兄に聞かれたら、絶対キモいって言われた。自分でも分かってるし!





はぁ……

今からご飯作るのもなー……

何かもういろいろありすぎて眠いし…

スーパーで惣菜買ってけばいっか………


欠伸をこらえながら、ぺりぺりと包装紙を外す。ブドウの棒つき飴を口に含んだ。

大丈夫かなー……あの二人。仁花ちゃんの前で喧嘩とかしないといいけど……









「っ…!あなたちゃん……!!!」


「?どしたの、仁花ちゃん」


「お願い来てっ……!!!日向と影山くんが…!」


真っ青な顔で私の腕をつかんでいる仁花ちゃんの様子からして、何が起こったのかは大体予想がつく。

仁花ちゃんに一応残ってる先輩がいたら話してきて、と言ってから体育館に走った。





「完璧だった…!!ドンピシャだった!なのに止められた!!



俺が今のままじゃ上にはもう通用しないんだ!!




体育館に近づくにつれてはっきりと聞こえる日向の声。

掴み合っていて、そりゃ慣れてない子には怖いよなと思いながら拳を握る。






「女の子泣かせてんじゃねぇぞ…!!!」






ちょっとヤバめの音がしたきが……


力入りすぎちゃった!ごめんね!!

プリ小説オーディオドラマ