第43話

捕まらないよね…
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2021/09/30 12:35


「おい」



仁花ちゃんと話しながら学校に帰る途中。あと、もう少しで学校…というところで、路地裏から明らかな奴が出てくる。ひっ…と怯えた声を出した仁花ちゃんを庇うように背中に隠す。



「………何?」




「お前が佐野あなただな」




「そうだけど。何か用?」



大柄な男が5人……いや、6か…路地裏からもう一人出てきた



「大人しくついてきてもらおうか?そこの女も一緒に」




「チッ……」




不味いな……

私だけならまだしも仁花ちゃんがいるから、迂闊に動けない

どうする?

仁花ちゃんを逃がすか……

幸い、学校はほぼ目線の先

少しだけでもこいつらの相手を私がすれば、逃がせる

学校にはあいつらがいるから、平気だろうし




「大人しくついていくと思う?」



「それなら無理矢理にでも連れていく」



「はぁぁ……この子には手出さないって約束する?」


「どうかな。すべてお前次第だ」




大体こう言うのは手出すから。

それと、仮にこのままついていったとして


帰ってこないことに気づいたあいつらが私たちを探して、見つけたとしても

人質が私だけならまだしも、仁花ちゃんがいると動けなくなる






やっぱり逃がすか………






「いいよ…大人しくついてく。でも待って、先に連絡だけさせてよ」



「は?」




「私の後ろにどんなのがいるか知らないことはないでしょ?少しでも遅かったら動き出す狂犬ばっか。しかも鼻がきくときた。だからさ、すぐ見つけられたくなかったら、連絡するけど?」



「チッ……今、ここでやれ」



ガラ携を取り出してメールを打つ。
打ち終わった後に、文章を見せてから送信ボタンを押す

気づかないほど馬鹿じゃないでしょ
あんだけいれば誰か一人くらいは気づく。
いや、気づかなかったら絶交だから



「仁花ちゃん…………」


「…!」


「お願い……行けって言ったら逃げて」


「……分かった」




仁花ちゃんは察しがよくて助かるよ。


「じゃ、もういいよ。はいどーぞ」


きっと手を拘束するだろうから、両手を差し出す。予想通り、近づいてきた。






「ぐぁっ……?!!」




近づいてきた男のこめかみに足を振り上げれば、綺麗に横へ飛んでいった




「行け!!!!!」




仁花ちゃんは迷わず走り出した。


「てめっ…!!」


そんな仁花ちゃんを追いかけようとした男の頭を蹴って、腹に拳をいれる。


あと4人………







「あ゛っ……?!」



バチッと言う音と首の後ろに焼けるような痛み。

それが何かを理解した頃には、地面に伏せていて、意識もほぼなかった。



意識が完全に落ちる瞬間


仁花ちゃんがかなり遠くにいるのが見えた





あれだけ離れてれば……

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