第64話

救った人 佐野真一郎ver
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2021/10/04 10:06
アンケートは明日締め切りにしようと思います!

なので、番外編?を出します。


あなたちゃんが過去でさらっと知らぬまに救ってきた人たちの話をしようかな…と。

まずは真一郎くんからです!


2003年8月20日

私と万次郎が産まれてから丁度14年。

毎年繰り返しやって来るその日に、私と真一郎はバイクをプレゼントすることにした。


「真一郎~これは?」

「それはそっち」


部品を見せながら簡単なことだけ手伝う。万次郎がずっと欲しがってたバブだから。まぁ、私はバイクなんてほしくないし。今まで通り誰かの後ろにのせてもらうことにする。それが一番楽だしね



「あなたは、何か欲しいのねぇの?」


「んー……飴ちゃんいっぱいくれたら満足かな」


「欲がねぇな……」


「てか、真一郎。そういうのって本人に聞いちゃダメじゃない?」


「あなたの欲しいもの誰も分かんねぇんだよ。だから、もう直に聞こうと思って」


「別に……今の生活がずっと続けば満足するし。いいよ、何もいらない」


「そんなわけにはいかないだろ」


「だから、飴買って」


「そんな数百円で終わるものかよ……」


真一郎文句ばっか煩い

飴でいいって言ってるんだから。



これも毎年繰り返される会話。万次郎は欲があるというか…あれがほしいってのが分かりやすい。それに対して私は全く分からないらしい。毎年毎年、みんな苦労してるっぽい。




「あ」

「何かほしいのあった?!」

「ガムでもいいよ」

「だから数百円…!!!」



値段は関係ないじゃん














「あなた~!マイキーの誕プレ相談してもいい!?」

「どうぞ~。今日も元気だね、カズちゃん」


ピョコピョコと跳ねてくるカズちゃんを、自分が座っている隣に座るよう促す。まぁ…嬉しそうな顔を見せること


「あなたと真一郎くんがバブあげるからー………何あげればいいと思う?」


カズちゃんは真一郎に会ったことがある。

私が真一郎のお使いをしているときに、たまたま道でばったり会って、そのまま店までついてきてくれた。良いワンコ。
そして、私たちが万次郎にバブをあげるって言ったとき、まぁそれは嬉しそうに笑った。カズちゃん万次郎大好きだな…


そんな大好きな万次郎に何をあげればいいか迷っているらしい。



「………どら焼き?」


「えー、それはパーちんがあげるって言ってた!」


「じゃあたい焼き」


「それは場地」


「抱き枕でもあげる?」


「抱き枕?何で?」


「私の身代わりとして。いまだに寝てるときたまに抱きつかれる。てか、ときどき人の布団に潜り込んでくるのやめてくんないかな……」


「………ズル…」


むすっと顔をしかめたカズちゃんに何か言った?と聞けば、首を横に振って何でもない!と言われた。


「カズちゃんがもらって嬉しいものは?」

「んー……あなた!」

「それはあげるものじゃないです。まぁ、万次郎なら何でも喜びそうだけどね」

「そうかな……?」


ヤバイ…可愛いぞこのワンコ
ちょっと不安げに上目使いをしてくるカズちゃん

可愛いが過ぎる


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