第69話

イケメンはいじられる存在?
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2021/10/05 07:30

「なっ…誰だよお前っ!!」


「まぁまぁ。女の子に乱暴はダメだよ」


誰だこの優男。身長でか……堅くらいあるよね?

たぶん世間一般でイケメンに分類される人。白のジャージがよく似合ってますね、なんかムカつくけど


てか……結構本気で殴ったから手のひら痛そうだけど


じーっと見てたら、急に目が合う。

あれ?さっきの奴等いなくなってんじゃん



「あ、そのジャージ烏野バレー部?」


「え?まぁ、はい……」


知ってる人?ライバル的な学校とか?


「へぇ、いつ入ったの?」

「は……?」


なにこの人……いい人かと思ったら、この人もナンパ??


え?逃げて良い?



「クソ川!!」
「部活中にナンパ??主将のくせに最低~」
「あり得ないんですけど~」



「違うっ!!逆に助けたの!」



ぞろぞろとやって来た集団は、目の前の男の人と同じジャージを着ている。


「あれ?烏野じゃん」


ピンク頭の人と目があって、さっきと同じことを言われた。


えー……やっぱり知ってる感じじゃん…


どうしよ、どうしたらいい??


「へぇ、新しいマネージャーとか?」
「マジかよ……俺ら一人もいないんだけど」
「及川のせいでな」



「えっと………」



帰っていい?



「あー悪い」
「俺ら青葉城西のバレー部なんだけど、話聞いてねぇ?」


「全然」


首を横に振る。だって聞いたことないもん。


「仲良いんだよな、烏野と」
「そうそう。練習試合とかもしたし」
「良きライバル的な?」


「へー。そうなんですね」



「なぁ、名前教えて」



ピンク頭さんにそう言われて、一瞬躊躇うけどまぁ仲良いなら……と自分の名前を口にする。



他の人すごい笑ってるけど、どうした?及川……さん?が何か言ってるのに、他の人に押さえ込まれている。



「あなたちゃんね。つか、マジで女子マネいいな」
「はぁぁ、及川目当てしかいねぇんだもん」
「マジふざけんなよ、クソ及川」



「さっきから酷くない?!」



ギャンギャン騒ぐたぶん3年生の人たち。すごい仲良いんだろうなってのは分かる。



「あの……部活なんで、行ってもいいですか?」



「あー、いいよ」
「引き留めてごめんな。うちのクソ川が」

「だから酷くない?!」


「あなたちゃんまたね!」
「大会で会おうな~」


後ろからかかる声に振り向いてぺこりと頭を下げてから、駆け足で学校に戻った。

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