第36話

一番心強い味方でしょ?
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2021/09/29 23:47

「青城戦のラスト。気づいたらボールが落ちてた」
「俺が負けたのに、影山に謝れるのは嫌だ」
「空中でも自分で戦えるようになりたい!」



「青城戦でスパイカーの100%の力を出すのがセッターだってちょっと分かった」
「あの速攻でちょっとしたズレが致命傷になる」
「あの速攻にお前の意思は必要ない」



ふーん………

試合後、菅原先輩に連れていかれた日向と影山。
盗み聞きでもしようかと、近づいてみるとそんな会話が聞こえた。


菅原先輩と鵜飼コーチは影山派。



「でも……私は日向派かな」



「「「あなた?!」」」



突然現れた私に、菅原先輩と鵜飼コーチが目を見開く。



「日向の言うことが正しいよ。これから先、何回だって壁にぶつかるんだろうけど、それを乗り越えなかったらそれ以上の高みにはいけない。インターハイで負けたんなら、きっともうそれ以上にはいけないと思うよ。

ビビってたら、勝てるものも勝てないから。

それを一番、私が知ってる」




まぁ、ルールもろくに知らない奴がなに言ってんだって感じかもだけど





「影山がトスを合わせるだけなら、日向はいつまでたっても成長しない。きっと……それが今後大きな致命傷になる。

リスクはあっても、もし日向の言うことが実現できたら………



烏野はきっと全国にいける」











「ま…ただのマネージャーが口出すことではないですね。やっぱ忘れてください」


3人の反応を見ることもなく、くるりと半回転して仁花ちゃんたちの方に駆け寄る。





「ははっ……ほんと頼もしい後輩」









次の試合から日向は出れなかった。

まぁ、たしかに。今のままやってもまた衝突しそうだし。




「日向……やりたいことやってみな」

「あなた…?」

「みんなが日向を批判しても、私だけは日向の味方でいてあげる。


誰よりも心強いでしょ?」


ぱしっと背中を叩けば、日向は「たしかにな!」と言って笑った。

陽キャが落ち込んでると調子狂うからやめてよね



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