第65話

救った人 佐野真一郎ver
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2021/10/04 10:45

で、そんなこんなで8月20日。

結局、ほとんどの人に誕プレは何がいいかって聞かれたけど、飴かガムって答えた。だって、それしかないんだもん。


集会の後に家に帰るんだけど、ちょっと外で待ってろと言われた私と万次郎。まぁ、何があるか分かってるけど。



「「「マイキー!あなた!誕生日おめでとー!!!」」」



パンッとクラッカーの音と共に聞こえた恒例の言葉。ちょっとだけ、笑みを浮かべて「ありがとう」と返す。



「じゃ、誕プレだな」



「マイキー、ほらどら焼きだぞ」
「マイキー、たい焼き!」


「よっしゃああ!!」



万次郎マジでたい焼きとかどら焼きばっかじゃん。あ、カズちゃんは結局抱き枕にしたんだ……あぁ、隆と作ったのか。なるほどね。


「これやるから、もうあなたに抱きついて寝るなよ!」

「はぁ?!誰から聞いたんだよ!」

「あなた!」


喧嘩してるし………




「あなた~、はい誕プレ」


「ありがと………って、シュシュだ」


隆に手渡されたのはシュシュで。白のものと青のもの二つがある。


「あなたって誕プレに金かけられるの好きじゃないだろ」


「あれ?気づいたんだ」


「そりゃ何年もいればな」


そっか。ならこれは手作りか。さすが隆


「髪結んでやるから、座って」


「えー……ま、いっか」


縁側に腰かける。隆に髪をしてもらうのは初めてじゃないけど、どうも慣れない。



「はい、できた」


長かった髪は綺麗に纏められ、ゆらゆらと揺れる。


「やっぱその髪色に合ったな」

「ははっ、さすが隆」







「あなた!って、シュシュ可愛いじゃん」


「だろ?」


「何で三ツ谷がドヤるんだよ」


場地とパーちんは大量の飴をくれた。すごい嬉しい。地味に毎年、飴くれるのこの二人だけなんだよな。本気で飴ほしいのに、私は。堅はヘアオイル。なんでもお店のお姉さんたちに相談したら、これをあげなさい!と言われたらしい。すごい良いやつなんだって



真一郎はネックレスをくれて、万次郎はピアスをくれた。エマはお揃いの手作り感満載のブレスレット。


ほんとどれも嬉しい。


「あなた!」

「カズちゃん」


はい!と元気よく差し出されたそれは、手作りのクッションで。


「よくわかったね…」


クッションがほしいな~って言ってた聞かれてた?でも、それ結構前だよ。しかも、独り言に近かったのに。


「前、あなたがほしい~って言ってたの聞いてた!」

「やだ……可愛すぎる……」


何この子。超可愛いんですけど……うちの子にしていいですか?
ちゃんと責任もって育てますから。







13歳の誕生日

何事もなく、いつもと同じように


幸せな時間だった

13歳のときのマイキーは髪が短かったので、逆にあなたちゃんは長かった設定です。まぁまぁ結構長かった。

あるとき、バッサリいっちゃってそれはもう悲鳴もの

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