俺はいつも通りみんなが帰った後、体育館で練習しようと足を運んだ
そこまではいつも通り
けど体育館に着いてからがいつも通りやなかった
そこには通称『高嶺の花』がおった
クールで美人な彼女は近寄れない存在や
そんな彼女がこんな時間に体育館で汗を流してバスケをしてるなんて誰も思わないだろう
正直言って俺もびっくりや
どうしたらいいか戸惑っとったら結局時間はどんどん流れ彼女の練習をずっと見とった
こいつと試合をしてみたい
素直にそう思った
彼女の練習が終わったぐらいの時にやらかしてもーた
思わず音を鳴らしてもうたんや
もちろん相手は気づいて驚いたあと酷く慌てとった
そんなに慌てる必要ないのに…
「すいません…
邪魔でしたよね」
とりあいず謝った
彼女はやはりクールでそのまま体育館を出ようとした
だからすれ違い際に一言だけ呟いた
「いいシュートやな」
…
無視された
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。