第114話

Episode🌹
5,589
2020/05/17 02:33
あなた

テヒョン
テヒョン




沈黙が続く。











私は何も言わず、ただオッパの背中を撫で続けた。


















テヒョン
テヒョン
実はね…

何分くらい経ったんだろう。



オッパは口を開いた。









テヒョン
テヒョン
俺の…愛するおばあちゃんが亡くなったんだ。あの日。
あなた

…!



信じられなかった。


少し前からおばあちゃんの具合が悪いってことは知ってたけど…












テヒョン
テヒョン
おばあちゃん…俺が誰よりも大切な人だった…
あなた


テヒョンオッパの顔が歪む。









テヒョン
テヒョン
あの日の公演の前…
俺に電話がかかってきた。まさかあのタイミングだとは思わなかった…信じられなかった…
テヒョン
テヒョン
あの後ジミンには言ったんだ。
一緒に泣いてくれた…慰めてくれた。
テヒョン
テヒョン
その後のサイン会も上手くできるか不安だった。そしたらあるARMYがね、手紙を書いてきてくれたんだ…
テヒョン
テヒョン
「おばあさんが良くなるように祈ってます」って…
もう…もうおばあちゃんはいないのに…
あなた

オッパ…







涙がこぼれ落ちるオッパ。




私はずっと背中を撫でてた。











テヒョン
テヒョン
俺はずっとおばあちゃんおじいちゃんのところで育てられてたから…
ずっと親孝行したかった…
いつか、テレビでおばあちゃんに向かって「愛してる」って言いたかった…
だけどっ、タイミングが合わなかった…
あなた

テヒョン
テヒョン
ごめん…どうにかして元気にならなきゃって思ったけど…
ARMYの前では笑えても、やっぱりお前たちの前では…



テヒョンオッパは目に涙を光らせながら私の方を見た。




テヒョン
テヒョン
笑えなかった…
あなた

オッパ…








ギュッ










私はオッパを抱きしめて言った。















あなた

大丈夫…大丈夫ですから。

テヒョン
テヒョン
…泣
あなた

オッパは…

あなた

十分親孝行出来ましたよ。

テヒョン
テヒョン
うぅっ泣


私はオッパの背中を撫でた。









あなた

辛かったですよね…
私達もそれに気づけずごめんなさい。

テヒョン
テヒョン
俺は…ARMYからずっと心配されてばっかで…でも何も言えなくて…どうすればいいか分かんなくて…
テヒョン
テヒョン
おばあちゃんの元へも向かってあげられなかった…
あなた

オッパのおばあさんはきっと幸せです。
こんなに想ってくれる孫を持ったんだから。

テヒョン
テヒョン
…っ泣
あなた

無理して笑わなくてもいい。
あなたは良くやってる。
ずっと見守ってますよ。

テヒョン
テヒョン
…おばあちゃんっ泣




その後もオッパはずっと泣いていた。



私もずっと慰めてた。










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