あれから少しマシになった。
昔のようにとは言えなくてもアイデアが浮かばなかったら誰かに聞く。
考えがまとまらなかったら誰かに聞く。
私たちの中で会話が少しずつ増えていった。
そして今日は新曲の打ち合わせの日。
曲名は「DNA」。
作曲にはナムジュンオッパとユンギオッパが加わっている。
この曲は自分のDNAに合った相手を見つける。
より高度な範囲での「偶然」ではない「本当の愛」。
成長した私達のピュアな愛が感じられる曲らしい。
私達マンネはありがたいことにだいたいいつもセンターにいる。
メインボーカルということもあって多くのパートをセンターで歌う。
私達は現場に着いた。
曲が流れるとすぐに引き込まれた。
私達の代わりに他の人の声が入っているCD。
それでも凄く引き込まれた。
これを私達が歌うんだ…
パート表が配られた。
楽しみすぎる!!
すぐ私がセンターで歌っているのが想像出来た。
それから皆自分のパートを見てウキウキしてた。
ただそれは私を除いて…
私のパート表。
いつもなら2ページには渡るくらいの歌詞が書いてある。
そのはずなのに…
私のパート表に書かれた文字はたったの2行だった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。