車が動き出す。
今日は「バレンタインコンサート」。
ついに来てしまったらしい。
こんなまとまってない状態で始めるのか…
どうなるか予想もつかなかった。
私達は着替え、メイクをしてもらった。
この空気を変えることはできない。
どうも出来なかった。
ごめんなさいオッパ…
なんかもう力が出ない…
コンサートが始まった。
ARMYの歓声が聞こえる。
それでも心からの笑顔は出てこない。
曲が始まっても歌っても、笑顔がなかなか出てこない。
ふと声のするほうを見るとARMYがスローガンを持っていた。
《あなたファイト!!》
その言葉が胸に響いた。
「ファイト」
「頑張って」
…笑
私何してんだろ…
ARMYがいるのに…
私にはARMYがいる。
なんとか自分の気持ちを奮い立たせる事ができた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。