誅side
俺が好きと伝えて1ヶ月
俺はまだ瑠雨くんに本気で好きになって貰えてない
いつもからかってきてその度に俺の瑠雨君への好きが高まっていく
こんなにもドキドキしていて苦しいくて瑠雨くんが大好きなのに
瑠雨くんには伝わらない
いつも優しく返されて終わり
俺……遊ばれているの?
瑠雨くんに限ってそんな…………
俺は、瑠雨くんを信じている…
けど、信じられなくなってしまいそうで怖い
今僕は瑠雨くんに勉強を教えて貰っている
いつもは勉強に集中してと言ってくるのに
ちゃんと僕の話を聞いてくれる
そういう所も、素敵だと思う
こんなに好きって言っているのに
瑠雨くんは普通
伝わってもいない
やっぱ僕で遊んでい……
ダメだ……
そんなふうに思っちゃダメなんだ
伝わらない僕の好きを伝えるには
ずっと好きって言わないといけないの?
伝えていたら好きって返ってくると思う自分がいて馬鹿みたい
でも、可能性を信じたい自分がいる
好きなんだ……とてつもなく
どうして僕の声は
君の心に届かないの?
ガタン
僕は椅子から勢いよくたった
瑠雨くんは驚いて僕を見ている
どうしてなんだ?
なんで?
なんで謝るの?
僕を遊んでいたから?
どうして謝るの?
タッタッタッタッタッタッ
僕は部屋から飛び出した
後ろから瑠雨くんが何かを叫んでいるが
今の僕には何も伝わらない
僕はこの時、家出をした
人生で初めての
荷物も何も無い……
僕は従兄弟の家に行くことにした
……………………
………………
…………
……
ピーンポーンピーンポーン
こいつは康太
僕より年下で高校生
小さい頃から仲がいい
この人は真由美さん
康太の母で優しい
聖母って感じ
瑠雨くんが変な人……
腹黒いしある意味当たっているかも
………………
気づけばもう6時
もう外は真っ暗だ
僕も母が居たらこんな風に賑やかに食事出来たかな……
憧れるな
……………………
全く変わらない
小さい頃から僕に懐いてきた
ちっとも変わらない
…………僕も
……………………
何を言っているんだ康太は……?
結婚だなんて……あれ
いつだっけ
思い出した……康太は
僕の初恋の人なんだ
だからって今は違う
僕が好きなのは……好きなのは
瑠雨くんなんだから……
…………ん?
俺はベッドからでた
康太が俺の腕をつかむ
タッタッタッ
俺は部屋を出てソファーに寝転がった
人の家だけど……
俺は瑠雨くんが好きなんだ
ごめん康太気持ちに答えれないや
……………………………………
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。