『...あ、あの、』
涼介「ん?」
『えっと、...その、』
涼介「涼介」
『へ、』
涼介「なんて呼んだらいいか聞きたいんだろ?」
『あ、うん、えと、りょ、涼介、』
涼介「なに?」
『あの、最初って痛いの...、?』
涼介「そりゃあ痛てぇかもな」
侑李「僕たち吸う方だから痛いとかどうとかわかんないんだよね」
『そっ...か、』
涼介「安心しろ、痛みを感じさせないぐらいにしてやるから」
『それどういう意...』
言い終える前に、涼介の綺麗な顔が私の耳の下辺りに近づいてきて
そのまま“かぷっ”と私の首に噛み付いた
『...っ、』
ほんとに涼介の言った通りで、
最初はやっぱりチクッとした痛みがあったけど、その後だんだんと気持ちよくなってきて...。
涼介「やば、うますぎる、」
私の首から顔を離した涼介の口の周りには血が付いてて、
それを舌でペロッと舐める涼介は想像してたヴァンパイアとかけ離れてかっこよかった
その後も伏し目がちな顔で飲んだ侑李や、
私の血が髪に付かないように髪を持っててくれた裕翔だったり、
いたずらっ子のような顔をして飲む大貴だったり
みんなが飲み終わる頃には意識が朦朧としていた
慧「めっちゃおいしかった...」
雄也「あ、そうだ」
雄也「他のヴァンパイアが狙わないように、」
そう言って血を吸った所に絆創膏を貼られた
大貴「これで俺ら専用になったね」
圭人「他のヴァンパイアにこの血は譲れないや」
涼介「じゃ、またやってくるから」
そう言って私の前から彼らは消えた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。