ー山田sideー
それは、認めたくない事実だった
昨日の帰り道、2人で帰った
松島が気を利かせてくれたのか、2人っきりにしてくれた
それを聞いて少し、イラッとした
他の男に好きって言ってるのが気に入らなかった
高校に入ってから全く会わなくなったと思ったら
『松島聡』と言うあなたのひとつ上の男子といるのをよく目にした
男の方が好意を寄せているのはすぐに分かった
ほんと、顔に出てたから
あなたの方は、笑ってるけど少し切なさそうにそいつのことを見てた
そう言って前向き早歩きで歩き出した
あなたの腕を引いて自分の方を向かせた
グイッ
パチン!
あなたが珍しく怒っている
こんな顔見たことない
俺の事を凄い目で睨みつけてくるんだ
こんな顔する子じゃなかったのに
…あいつの事を語るあなたは、
綺麗だった。
ひとつひとつ何かを思い出しているのか
幸せそうに微笑みながらゆっくり語ってる
悔しい、けど俺の入る隙間は1mmもなかった
そう言うと、笑顔が崩れ涙が溢れてきた
抱きしめると、すごく小刻みに震えてた
…言えない、
言っちゃいけない。
あいつの気持ちを、俺の口から伝えることは出来ない
だから、何も言えなかった
そう言って太陽みたいに笑うあなた
その笑顔が、ずっとずっとずっと好きだった
俺だけに向けて欲しかった。
だけど、今は
初めての恋、初めての感情に戸惑うあなたを応援するって決めた
だから、君のそばにいることは許してね?
、
あ、もちろんあなたがこいつのこと好きとかは言ってないよ
ただ、あなたに好きなやつがいるから振られたとだけ伝えた
あなた頑張ってんのに伝わってないのね…(苦笑)
鈍感すぎだね、松島
こうして俺の“初恋”は幕を下ろしたんだ
大好きだったよ、あなた
2話更新…!!
書きたいこと溜まってたのにいろいろ学校忙しくて更新出来なかった…
今日の夜も多分更新するから見てください!
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。