私の目の前の人は大丈夫なんだろうか。
何を言っても反応しない。
冷めたコーヒーを見つめてなにやら考え込んでいる
生徒の私がずっとここに居座るのも悪い気がして
ゆっくり立ち上がろうとすると
なんだかんだ言ってベッドのことを気にしているのは私かもしれない。
何かある度にミナ先生の顔が浮かぶ
頭の中でずーっとあの声がループしてる
夢だと思い込もうとしてもあまりに現実的すぎる。
また明日なって言った時の顔を見た時、心臓を握り潰される感じがした
はぁ........
体育館へ入れば花道スタイルでフリースローを投げるモモが目に入る
あれを見てればなんだってバカバカしく思える...笑
モモと話していると後輩たちがチラチラとこちらへ目を向けている
少し気まずくて早く練習を再開するように催促すると
渡したのは少し古びたノート。
所謂バスケノートと言うやつで、ミニバス時代からの練習メニューだったりが書いてある
さっ、早く練習しな!と言おうとすると目の前に影ができる
見上げてみるとそこにはチェヨンの姿。
私は座っててチェヨンは立ってて、見下ろしてくるから威圧感が凄い。
チェヨンが戻った後の私とモモの間は、微妙な空気になる。
その後の練習はしっかり進んで、
終わりごろに顔を出したナヨン先生はみんなから口を揃えて遅いですよ!と怒られていた
帰り際にちょっといじってやった
ナヨン先生と別れて正門へ出ればチェヨンサナモモの三人が仁王立ちしている。
私は今から叱られに行くのかな......
さっきまで怯えてた対象がチェヨンだったのに
急にサナが怖く思えてきた。それは私だけでなくモモも同じらしい。
モモは怯える必要ないと思うんだけどな笑
ことの詳細を多少嘘を織り込んで話した。
ちなみに昨日のユニバは話してない
力説するサナとその横でうんうんと凄い勢いで頷いているチェヨン
この2人こんな気合うの初めて知った...
混ぜるな危険物質だなこれ
すると横で聞いていたモモまで口を出し始めた
そこまで言いかけた途端にまたベッドのことを思い出してしまった
多分顔が赤くなっているかもしれない。
バレないように俯いたのに速攻バレた
他人事のように言うモモに腹が立った。
確かに他人事だけどこの状況助けてくれてもいいじゃん?
何も言えなくて黙っているとスマホが震え出す
笑顔でそういうサナに恐怖を覚えながら外で電話に出る
唐突な質問に混乱しかしない。
ましてやさっきまでこの人が私に気があるどうのこうのと騒いでいたから余計に。
こう聞いてくるってことは私の事好きなの...?
いや、さすがに自意識過剰か?でもベッドのやつもあるしな。
寝言?寝言にしてはリアルすぎるよなあれ
そんな葛藤を頭の中で繰り広げていると先生に名前を呼ばれる
ガタッガタン
切られてしまった....
え、やっぱりそうだったの?
嬉しいけど...整理つかない
ていうか明日会っちゃうじゃんいやでも。
どうしよ。
そんな感じで頭を抱えていると後ろから肩を叩かれる
展開行方不明だけど書いてて楽しいから良き
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。