第17話

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2021/04/16 21:00










私の目の前の人は大丈夫なんだろうか。








あなた

あの〜…ミナ先生?

あなた

せんせー?

あなた

大丈夫ですかー!

あなた

…顔真っ赤だった人ー?






何を言っても反応しない。









冷めたコーヒーを見つめてなにやら考え込んでいる






生徒の私がずっとここに居座るのも悪い気がして





ゆっくり立ち上がろうとすると







ミナ
ミナ
待って、どこ行くん?
あなた

そろそろ部活行かないと...

ミナ
ミナ
え、あ、そうやな、行ってらっしゃい
あなた

行って...来ます?笑

ミナ
ミナ
…また明日な?
あなた

っ…はい!笑





なんだかんだ言ってベッドのことを気にしているのは私かもしれない。








何かある度にミナ先生の顔が浮かぶ









頭の中でずーっとあの声がループしてる









夢だと思い込もうとしてもあまりに現実的すぎる。










また明日なって言った時の顔を見た時、心臓を握り潰される感じがした

















はぁ........







体育館へ入れば花道スタイルでフリースローを投げるモモが目に入る









あれを見てればなんだってバカバカしく思える...笑






あなた

モモ、ちゃんと練習しな

モモ
モモ
あなた〜...!?どしたんその腕!
あなた

転けた

モモ
モモ
バカやない!?試合出れへんやん!
あなた

出れないね

モモ
モモ
出れないねちゃうやろ!あなたおらんと勝てへんやん!
あなた

いやいや、私が居なくても勝てるように今から練習するんだよ?

モモ
モモ
そうは言うてもなぁ…





モモと話していると後輩たちがチラチラとこちらへ目を向けている









少し気まずくて早く練習を再開するように催促すると





モモ
モモ
それが、ナヨン先生あなたと電話してから戻ってこぉへんねん
あなた

またあの人は......

あなた

じゃあいいや、とりあえず私のこれみてやって

モモ
モモ
あ!懐かしいなそれ!





渡したのは少し古びたノート。









所謂バスケノートと言うやつで、ミニバス時代からの練習メニューだったりが書いてある









モモ
モモ
高校入ってから見せてくれへんかったもんなぁ
あなた

ただ忘れてただけだよ笑





さっ、早く練習しな!と言おうとすると目の前に影ができる









見上げてみるとそこにはチェヨンの姿。









私は座っててチェヨンは立ってて、見下ろしてくるから威圧感が凄い。




あなた

どうした?

チェヨン
チェヨン
今日の部活終わり、駅前のカフェ行きますよ
あなた

え、私先約あるんだけど…

チェヨン
チェヨン
サナ先輩ですよね?許可取ってあるので大丈夫です
あなた

あ、それなら良かったです...?

チェヨン
チェヨン
モモ先輩も来てください
モモ
モモ
え!うちも!?
チェヨン
チェヨン
この前気にしてたこと分かりますから
モモ
モモ
この前....なんかあった?
チェヨン
チェヨン
とりあえず来てください
モモ
モモ
あ、うん





チェヨンが戻った後の私とモモの間は、微妙な空気になる。




モモ
モモ
なんや...うち最近チェヨンのこと怖なってきたで笑
あなた

私もだよ...笑





その後の練習はしっかり進んで、









終わりごろに顔を出したナヨン先生はみんなから口を揃えて遅いですよ!と怒られていた









帰り際にちょっといじってやった




あなた

ナヨン先生、人のこと言えませんね笑

ナヨン
ナヨン
あなたまでそんなこと言う......先生拗ねるからね!
あなた

割といつも拗ねてませんか?

ナヨン
ナヨン
そんなことないわよ!早く帰りなさい!笑
あなた

はーい笑
さようなら!







ナヨン先生と別れて正門へ出ればチェヨンサナモモの三人が仁王立ちしている。









私は今から叱られに行くのかな......
















サナ
サナ
で?あの後何があったん?
その腕のことも説明して。
さっきまで怯えてた対象がチェヨンだったのに









急にサナが怖く思えてきた。それは私だけでなくモモも同じらしい。









モモは怯える必要ないと思うんだけどな笑









ことの詳細を多少嘘を織り込んで話した。









ちなみに昨日のユニバは話してない
サナ
サナ
ほ〜ん...
チェヨン
チェヨン
サナ先輩騙されないでください
転んだだけじゃ折れませんよ普通
あなた

いやいや!これはほんとにほんとだから!

チェヨン
チェヨン
ほんとですか...?
あなた

こんなことで嘘つかないよ笑

チェヨン
チェヨン
それもそうですね
サナ
サナ
問題はそこやないやろ?
あなた

え?

サナ
サナ
なんで二人で買い物なん?
あなた

あ、いや、

サナ
サナ
別におつかいなら1人でも行けたやろ?
あなた

いや、さすがに10キロを1人で持って帰るのはめんどくさくて

サナ
サナ
どー考えたってミナ先生あなたに気あるんやで!?
あなた

それはないでしょ

サナ
サナ
いや!あるんや!サナには分かる!




力説するサナとその横でうんうんと凄い勢いで頷いているチェヨン









この2人こんな気合うの初めて知った...








混ぜるな危険物質だなこれ









すると横で聞いていたモモまで口を出し始めた






モモ
モモ
あなた...先生のこと狙ってるん?
あなた

は?

あなた

いやそんなわけないじゃん

モモ
モモ
じゃああなたが狙われてるんか...
あなた

いやそれもないわ

モモ
モモ
話の流れ的に絶対そうやろ!笑
あなた

そんなわけ....





そこまで言いかけた途端にまたベッドのことを思い出してしまった








多分顔が赤くなっているかもしれない。









バレないように俯いたのに速攻バレた





サナ
サナ
ほら!絶対なんかあったやろ!
あなた

ない。ないから。

チェヨン
チェヨン
嘘ついてもダメですよ。顔は正直です。
あなた

.........

モモ
モモ
モテる女は大変やなぁ...







他人事のように言うモモに腹が立った。









確かに他人事だけどこの状況助けてくれてもいいじゃん?









何も言えなくて黙っているとスマホが震え出す





あなた

あ、ごめん。電話だ

サナ
サナ
はよ戻っておいでな?
あなた

....はい





笑顔でそういうサナに恐怖を覚えながら外で電話に出る




あなた

もしもし

ミナ
ミナ
あ、あなた?
あなた

あ、先生、どうしたんですか?

ミナ
ミナ
......今話せる?
あなた

話せますよ

ミナ
ミナ
あなたって、好きな人いたりするん?
あなた

.......?







唐突な質問に混乱しかしない。









ましてやさっきまでこの人が私に気があるどうのこうのと騒いでいたから余計に。









こう聞いてくるってことは私の事好きなの...?









いや、さすがに自意識過剰か?でもベッドのやつもあるしな。









寝言?寝言にしてはリアルすぎるよなあれ









そんな葛藤を頭の中で繰り広げていると先生に名前を呼ばれる




ミナ
ミナ
あなた?
あなた

あ、はい

ミナ
ミナ
おるん?好きな人
あなた

いませんよ

ミナ
ミナ
...分かった、ありがとう
あなた

え、それだけですか?

ミナ
ミナ
それだけ笑
あなた

あ、じゃあ私からも質問いいですか?

ミナ
ミナ
ええよ?
あなた

先生好きな人いるんですか?




ガタッガタン



あなた

え...と、大丈夫ですか?

ミナ
ミナ
...なんで急に?
あなた

あ、いや、ただ気になっただけです...

ミナ
ミナ
おるよ
あなた

どんな人ですか?

ミナ
ミナ
年下。それ以上は教えへんから!
ミナ
ミナ
っじゃあね!
あなた

いやちょっ....






切られてしまった....









え、やっぱりそうだったの?









嬉しいけど...整理つかない









ていうか明日会っちゃうじゃんいやでも。









どうしよ。










そんな感じで頭を抱えていると後ろから肩を叩かれる




サナ
サナ
あなた?今のミナ先生やろ?
あなた

え?

サナ
サナ
何話してたん?
あなた

あ、普通に世間話を...

サナ
サナ
あー、好きな人とか言ってたやんなぁ?
あなた

......盗み聞きしてたんだ

サナ
サナ
いやー、聞こえてきちゃったんや!仕方ない!
あなた

そういうことする人だったんだ。

サナ
サナ
え、ごめん!ごめんあなた!ごめんて!
あなた

...許して欲しかったらこれ以上問い詰めないこと。わかった?

サナ
サナ
はい!わかった!
あなた

じゃあ戻ろ

サナ
サナ
うん!



























展開行方不明だけど書いてて楽しいから良き

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