第16話

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2021/04/13 21:00
 





扉を開いてただいまーと大きな声で言う









すると奥からお母さんが出てきて






母
おかえり!
母
あと30分くらいで部活始まるわよ!
あなた

大丈夫大丈夫
怪我してるから遅れても言い訳できる

母
…誰に似たのかしら…笑
あなた

とりあえず、着替えて行きます!

母
急ぎなさいね!
あなた

はーい






遅れても言い訳できる状況に油断して









着替えに10分、荷物の準備に10分なんてやっていたら









いつの間にか部活が始まる時間






あなた

よし。行きますか

母
行ってらっしゃーい
気を付けてね〜
あなた

行ってきまーす

 



呑気な返事を返してダラダラ歩いているとスマホが震える









液晶にはナヨン先生の5文字









……連絡入れてないわ。









あなた

もしもし

ナヨン
ナヨン
おはようあなた!
あなた

おはようございます

ナヨン
ナヨン
今日はみんな気合い入ってるわね〜
あなた

……そうですね

ナヨン
ナヨン
それはそれとして。あなたの姿が見当たらないのだけど?
あなた

…すみません。今日遅刻します

ナヨン
ナヨン
前から遅刻欠練の報告は前日までにって言ってあったわね?
あなた

はい…

ナヨン
ナヨン
今日は仕方ないわ、早く来なさい。
あなたがいないと練習進まないのよ
あなた

え、モモも来てないんですか?

ナヨン
ナヨン
モモが真面目に進められると思ってるの?
あなた

はは…

ナヨン
ナヨン
とにかく早く来ること!いいわね?
あなた

はい。








じゃっ!と機嫌の良さそうな声が聞こえて切れた。









怪我のこと言ってないや。まいっか


























正門を入れば野球部の野太い声が聞こえてくる。









頑張ってんなぁ〜と思いながらグダグダ歩いていると、









前から軽く殺気立った人影









その人影が私を捉えると走ってこようとしたが









腕を見たからか殺気が消えて違う意味で走ってきた







ナヨン
ナヨン
あなた!その腕!どうしたの!?
あなた

おはようございます、ナヨン先生

ナヨン
ナヨン
おはようはいいのよさっき言ったから!
それより!説明して!
あなた

説明はするんですけど、ここじゃあれなんで部室でも…

ナヨン
ナヨン
部室…はちょっと難しいわね。職員室へいらっしゃい
あなた

部室使えないんですか?

ナヨン
ナヨン
ちょっとね……笑








……?









練習中は部室なんてほとんど使わないのに使えないことなんてあるの?









そう思ったけれど、ナヨン先生が呆れたような顔をしていたから何も聞かずにナヨン先生の後ろへついて行く









職員室に入ってパーテーションで仕切られた客室のような場所に座った











ナヨン
ナヨン
あなた、コーヒー飲める?
あなた

はい

ナヨン
ナヨン
ブラックと微糖どっちがいい?
あなた

ブラックで

ナヨン
ナヨン
はーい




そう言ってナヨン先生が席を立つ。









と同時にパーテーションの裏から昨日の人物。





ナヨン
ナヨン
あ、ミナ先生。おはよう!
ミナ
ミナ
おはようございます!
ナヨン
ナヨン
いつの間に来てたの?
ミナ
ミナ
つい先程……笑




そういうと視線がこちらへ向いて私と目が合う。









会釈をするとニコッとしてすぐに目をそらされてしまった









なんかちょっと寂しいな…笑









そう思いながらもナヨン先生と話しているミナ先生を見ていると









少しばかり耳と頬が赤いことに気付いた









まだベッドのこと気にしてんのかな笑









ナヨン
ナヨン
あ、そうだ、ちょっとミナ先生あなたのこと叱ってくれないかしら
あなた

え?

ナヨン
ナヨン
この子、遅刻の連絡も腕怪我してることも報告しなかったのよ
あなた

いやそれは……

ナヨン
ナヨン
私に叱られるよりはミナ先生に叱られた方がいいでしょ?
あなた

……そうですね!

ナヨン
ナヨン
そうですね!じゃないわよ!笑
ナヨン
ナヨン
私がコーヒー入れてくるまでお願い!
ミナ
ミナ
え…でも…
ナヨン
ナヨン
あ、先生コーヒー飲める?
ミナ
ミナ
あ、まぁ…微糖なら笑
ナヨン
ナヨン
じゃあ先生の分も入れるわね!






そう言ってルンルンな足取りで歩いて行った









するとミナ先生が私の目の前に座った。








私の手を握って私の手をミナ先生の額に当てている








あなた

え、ちょ...どうしました?

ミナ
ミナ
いや…どうしても昨日のこと思い出しちゃって…//
あなた

耳まで赤くなってますよ?笑

ミナ
ミナ
言わんといて……笑
あなた

私は嬉しかったですけどね

ミナ
ミナ
えっ




そう言うと元々大きい目をもっと大きくしてこっちを見てくる









やっと目合ったと思ったらまたすぐそらされる









せっかく可愛いのに。





あなた

先生さっきから目合わせてくれないですよね

ミナ
ミナ
や…そんなことは…
あなた

私先生の顔みたいんですけど。

ミナ
ミナ
…チャラい。
あなた

どこがですか笑






そんな会話をしていると聞こえてきたナヨン先生の声








聞こえてすぐにミナ先生の手が離れてしまった









残念と思ってしまったのはなんでだろ…









まず手を繋ぐことの方が珍しいはずなのに





ナヨン
ナヨン
どうぞ〜
あなた

ありがとうございます

ナヨン
ナヨン
ミナ先生も!
ミナ
ミナ
あ、ありがとうございます!
ナヨン
ナヨン
それで、なんで遅刻したの?





するとミナ先生が少し肩を上げてこちらを見てくる








目合うのは嬉しいけどこれはな…笑





あなた

普通に寝坊しました

ナヨン
ナヨン
……珍しいわね。あなたが寝坊なんて
あなた

私だって人間ですから笑

ナヨン
ナヨン
てっきりUSJでも行ってたのかと思ったわ






…!?バレてる……?









そんなわけないじゃないですかと言ってミナ先生を横目で見ると…









ミナ先生も同様驚いたような顔をしてた









視線が合えば、言ってないとでもいうように首を振る





あなた

逆になんでUSJなんですか?

ナヨン
ナヨン
特に理由はないわよ?





そう言って微笑むナヨン先生。









怖い人だよほんとに…笑







ナヨン
ナヨン
遅刻は許すとするわ。
でもその腕は許せないわね。
ナヨン
ナヨン
何したの?
あなた

スーパー行ったら転びました

ナヨン
ナヨン
転んだだけじゃそんなにならないでしょ…笑
あなた

割とほんとに転びました

ナヨン
ナヨン
誰かとぶつかったんじゃないの?





なんでここまで知ってんの?









あの時ナヨン先生いなかったはずだけど…





ナヨン
ナヨン
なんで知ってるのとでも言いたげな顔ね
あなた

…バレました?笑

ナヨン
ナヨン
分かるわよ笑
ナヨン
ナヨン
1人の生徒がね、相談に来たのよ
ナヨン
ナヨン
あなたのことケガさせちゃったって
あなた

えぇ…






あれだけ気にしないでって言ったのに…





ナヨン
ナヨン
それで、しっかり病院には行ってきたの?
あなた

はい。骨折でした

ナヨン
ナヨン
それ見れば誰でもわかるわよ笑
どれくらいで治るって?
あなた

4ヶ月……?だったと思います

ナヨン
ナヨン
4ヶ月って…嘘でしょ?
ナヨン
ナヨン
それじゃ総体も出れないじゃない!
あなた

そうなりますね…

ナヨン
ナヨン
一試合も出れないじゃない…




暗くなった雰囲気の中ミナ先生が口を開く




ミナ
ミナ
バスケとかはウィンターカップとかあるんじゃないですか?
あなた

ありますね

ナヨン
ナヨン
でも、あなたは出れないのよ
ミナ
ミナ
え?
あなた

私、9月からハワイの姉妹校に留学するんです

ミナ
ミナ
そうなん!?
ナヨン
ナヨン
5ヶ月間学校代表で交換留学。
この学校の伝統?なのよ
あなた

知らなかったんですね笑

ナヨン
ナヨン
校長から内密にって言われてるもの、知らない人も多いわよ笑






それから色々話しているとナヨン先生が呼ばれた









ナヨン先生は、とりあえず安静にすぐ治すこと!今日遅刻したのは許すけど次はないからね!と言って行ってしまった









さっきから喋らない私の目の前の人は大丈夫だろうか




































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