あの無故意壁ドン事件から約2週間
やけにミナ先生から話しかけられることが多くなった
それに伴ってかサナもよく来るようになった
と言うかサナに関しては前からベタベタしてたのに最近は余計引っ付いてきて正直邪魔。笑
でもそんなことは言えないから大人しくされるがままされてる
そんなくだらん会話をしていると廊下から謎の視線を感じた
割と目が悪いので見えない。
メガネをかけて見てみようとメガネを探していると
視線の本人だろうか?だんだん近づいてきてはっきり見えるようになってきた
あれ、ミナ先生?
そういったミナ先生の目はいつもより難しそうな目をしていた
多分これは真剣な話だろうなと思っていると
何言ってんのさな笑笑
そう言おうとしたら軽くドスの効いた声でミナ先生
喧嘩してんのかと思うくらいギスギスした空気の中ミナ先生に手を引かれる
今思えばその手には少し力が入っていたような気がする
先生と話してたっていえば次の授業休みになるし
素直に褒められるとちょっと罪悪感あるからやめてくれ
真剣な目をして超くだらんこと言うから思わず笑いが込み上げてくる
笑っちゃいけないとは思うけど止まらない笑笑
するとミナ先生が真っ赤な顔を俯かせて私の手に先生の手を重ねる
それでも笑いは止まらない
2人して笑い始めたらもう止まらない
少しは落ち着いたかなと言うところで先生が口を開く
え。
教師と生徒で外出って大丈夫なもんなの?笑
いくら同性ったって立場的に……
そんなしゅんとした顔で頼まれたら断れるもんも断れないと思うんだが
私は特に用事ないし別にいいけど…
他の人に見つかったら大丈夫じゃないよな
そう言うと先生が顔を真っ赤にしてしまった
何か変なこと言ったかな?
と、授業開始のチャイムが鳴ってしまった
そんなこんなでいつの間にか放課後
相変わらず突撃して来るサナ
この突撃癖は治らないのか…
そう思っていると
んーーーー…タイミングの悪い
サナと分かれて正門を出る。
先生との待ち合わせまでまだ30分ほどあるから
家に帰って着替えていくことにした私は
急ぎ足で家に向かう
すると…
ドンッ
ぶつかってしまった腕を急いで引き寄せる
かなり細くて今にも折れてしまいそうな腕
そう言いかけるとそそくさと歩いていってしまった
あれ、私なんかしたかな。
そう思いながら再び帰路に着く
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!