第39話

助けて…
229
2022/10/09 14:17

憂鬱な気持ちで私は楽屋から出る準備をする。

『よし、準備完了。』

『はぁ、、行きたくないなー』

そんな愚痴をこぼしていると


コンコン


『はーい』

ドアを叩く音とともに彼らが入ってきた。


深澤「しっつれいしまーす」

『え?みんな?』

びっくりしていると

渡辺「迎えに来たぞ」

『え?』

岩本「俺らと一緒に行こう?そしたら、プロデューサーも最初から近寄り難いと思うし。」

『えぇ、でも、いいの、?』

迷惑にならないかと心配になっていると

目黒「いくよ。」

そう言ってひょいっと私の荷物を持つ。

『え、いいよ、自分で持つよ!』

荷物を取り返そうと手を伸ばすと、

その手を掴まれた。

ラウ「あなたちゃんはこっち握ってて」

そう言ってラウールは私の手を優しく包み込んだ。
そんなラウールの行動に照れていると

佐久間「あぁ!ラウールが抜け駆けしてる」

阿部「マジじゃん!ラウール離しなー」

後ろで騒いでいるさっくんとあべちゃん




なんやかんや言いながら、車に乗り

目的地の居酒屋まで車を走らせた。



ガラガラガラ




居酒屋のドアを開ける



プロ「おぉきたか!あなたー!」


『お疲れ様です。遅くなってすいません』

私がそう言うといいんだよと近寄ってくる


私が少し後ずさりしたのに気づいたのか、ふっかが私とプロデューサーの間に入る。


深澤「遅れてすいませーん!ささっ!席座りましょっ」


プロ「おぉ…。そーだな。ギロッ」


プロデューサーはふっかを睨んでいたが、ふっかにはノーダメージな様子だった。




プロ「あなたはこっちにおいd」
目黒「あなたここ座って」


私の手を引っ張って隣に座らせる蓮


チラッとプロデューサーの方を見ると面白くなさそうな顔をしている。



みんなその顔に気づいている様子だったが、



無視して私とプロデューサーをなるべく近づけないようにしていた



プロ「あなた今日の演技だけd」
岩本「あなたーこの肉めっちゃ上手いよ」




プロ「あなたこっちきて」
阿部「あ、あなたこぼしてるよー」





プロ「あなた……」
宮舘「あなた顔赤いね。かわいいじゃん」






ずっとこんな調子だから、もちろんプロデューサーは機嫌がどんどん悪くなっていった



私はみんなが守ってくれる安心感が凄くていつもよりお酒を飲んでいた。





『ちょっとお手洗い行ってきます。』


渡辺「1人で大丈夫か?」

ボソッと翔太が呟いた。


『大丈夫』と言って私は席を立った。






お手洗いを済ませ、みんなのところに戻ろうとした。


「やっとだ……」


低い声と共にグイッと手を捕まれる。


『え。』


プロ「もう、邪魔ばっかり入って全然あなたと話せなかったよぉー。」


『ちょっ……話してください、』



強く掴まれた手を振りほどこうとするが、


やっぱり相手は男の人で。強い。


プロ「ははっあなたは力が弱いなぁ、」


プロ「あ、もしかしてこのまま2人で居たいからわざと振りほどかないのかな?」

プロ「照れ屋さんなんだね」

『何言ってるんですか……。』
勝手な解釈で意味のわからないことを言うプロデューサー。

正直気持ち悪かった。


『離してください。』

私はそう言うしかなかった。


プロ「こっそり、抜け出そっか?」

そう言って私の手を引っ張る


『いや!』


抵抗したが、強く引っ張られる。


怖くて、何も出来なくて、体が固まるのが分かる。






誰か助けて、、、!








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