第3話

クリスマスのお誘い
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2019/12/21 07:40
ぼそりと言うと、えいちゃんは頭をかいて言う。
「はぁ…分かった。動画は休む。」
もう一度、ため息をついてから、私に向き直る。
「あなた、こっち来い。」
他のメンバーは、ニヤニヤしながら手を振っている。だんだん離れていくえいちゃんの背中を追いかける。数十メートル離れた所で立ち止まる。
「あなたは、俺と一緒に居たいの?」
突然の質問に悲鳴のような声が出る。
「え?」
答えられずにいると、急に真剣な顔をする。
「どっち?俺は、あなたと一緒に居たいんだけど。」
「ふぇ!?…何でですか?」
顔を赤くする私にデコピンをする。あまりに痛くて飛び上がる。
「たぁ!?何するんですか!?
「デコピン。…あと、クリスマスは買い出し。」
思わず、ぽかんとする私に笑って言った。
「戻るぞ。」
先を歩くえいちゃんの背中を再び見つめながら、デコピンされた額を抑えた。

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