そう言いながら目の前の女医は、宿儺に切られたところを治しながらぐりぐりと指で押してくる。
その苦痛はかなりのものだが、女医の隣にいる虎杖悠仁の顔から察するに。今受けている苦痛よりも、心理的に苦しい思いをしていると分かる。だからこの痛みも受け入れる。
そんな思いをさせてしまったのは自分達だから。
禪院直哉は皮肉を込めた声でそういった。多分、女医もとい、家入硝子も気付いている。
虎杖に向けてか、それともあなた達に向けてか。おそらく両方に向けてだろう。
二度とこんなことにならないよう、自身の肝に銘じておく。
手当が終わり、部屋を出たあとにあなたと直哉、家入は五条たちにどう説明するか話し合っていた。が、家入はまたけが人が出たらしく、医務室に送還された。
__、虎杖が話しかけてきた
あなた達は振り向き、虎杖を見る。虎杖は俯いていて顔は見えないが、おそらく自分を責めているのだろう。辛そうな声だった。
そんな虎杖をどう思ってか、怪訝そうな、でも不機嫌な顔で直哉は見ていた。
言葉で表すと「あ゛?なんや、はよ要件言えや」って感じである。
そう言うとさらに辛そうな顔をした。何故だろうか。
目の前の少年は、ただただ機械的に、【ごめんなさい】と壊れた機械みたいに謝り続けている。
どうすれば良いものかと悩んでいると、禪院直哉がイラついた雰囲気を出しているので、とりあえず席を外させる。
ハグをして、背中をさすって落ち着かせる。
少しして虎杖はごめんなさい、というのをやめて声を押し殺す様に泣き始めた。
この子は泣くのが下手なんだな、と思った。泣いたこと自体が少ないのか、それとも泣いたらダメだと思ってきたのか。わからないが、とにかく背中をさする。
しばらくすると落ち着いたようで、またひとつごめんなさいと零した。だが、先程のような辛そうな声ではなかった。
手を差し伸ばすと、少し怯えた様子で手を取ってくれた。優しい握り方だ。脆く壊れやすい何かを壊さないような、そんな、握り方。
皆の所へ向かっている途中、また虎杖に話しかけられた。
あなたには虎杖が何を言いたいのか分からなかったが、答えを考えているうちに皆のいる場所に着いた。
そう聞かれると、至って何も無かったかのように虎杖悠仁は振る舞う。だが、二人とも虎杖の異変に気づいてるようだった。
だが、触れない。いい同級生だなと思ったが、同時に冷たいんだなとも思った。
その発言に、2人はゾッとした。同時に本当に何があったのか予想することすら怖く、分からなかった。
そんな2人をよそ目に虎杖は続ける。
18:00投稿も20:00投稿も出来ずにすみません。
寝てました。最近睡眠不足なんです。
お詫びを込めていつもより少し長くしました…
本編の方では、何やら虎杖の様子が少しおかしくなってきましたね。
皆様、この小説、今のところすげぇ要素は少ないですが一応【ホラー】です。今後、もっとホラーな要素(ヤンデレとかメンヘラとか色々)追加すると思います(投稿主の技量は別として)( ^ω^)
頑張って耐えてください。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。