帰ろうかな、と言おうとしたところ。足音が聞こえたからそちらを向く。
足音の人物は家入硝子だった。ヒールで歩くのは辛くないのだろうか。
家入硝子は書類を持ち、それをあなたと七海にそれぞれ渡した。
七海が「上層部」「直々」というワードに反応した。五条悟も禪院直哉も、書類を渡した家入硝子ですら嫌な予感を感じている。
なにか、嫌なことが起きる。そんな予感。
足りる足りないの問題では無いと思う。準一級術師が居るということは、もしや昇格の話か。
上層部直々の命令ということはさぞかし大切な術師なんだろう。準一級の人には申し訳ないが、階級維持させてやろうか。
虎杖悠仁の受肉の件もある。孤児院だかなんだかの任務の二の舞にならないように、離さない方がこいつにも虎杖にも得策だろう。
あまり、人死は見たくないからな
狗巻棘。おそらくこの任務は狗巻の昇級のためだろう。まぁ、本人は蹴りそうな案件だが。
冥冥さんは相も変わらず余裕そうというか、なんというか。変わってなさそうで安心した。
というか上層部、冥冥さん動かすなんていくら金 積んだんだ。
ノドナオールを飲み干す狗巻。戦闘中も何となく感じていたが、敵が急接近すると呪言を使わずとも呪力は喉に集中していた。まぁ、呪言師にとって喉は命だから、守るのは当然と言えば当然か。
奇襲されると、正直困る。ノドナオールは狗巻が今飲んだので最後。だがおそらく、狗巻は呪言を高確率で使うだろう。
もう、かなり疲れた。これ以上は考えたくない
私たちは帳をあげて、その場をあとに
耳の横、僅か2、3センチの距離を斬撃が通った。
冥冥に『なにすんの!?』とツッコミを入れた(多分)狗巻が、今度はあなたに向かって『なんで!?』とツッコんだ(多分)
冥冥の今の発言は、遠回しに今はまだ弱いと言ってるようなものだ。狗巻はそこそこに負けず嫌いだと聞いている。
冥冥の今の発言が、稽古のモチベーションに繋がればいいのだが。
今なにか、なにかに見られているような気がして。
背筋がゾッとした。
2022/11/20
誤字があったので修正しました
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。