困った顔をしている。
僕が怒ってることをわかっているんだろう。
彼に八つ当たりしても意味が無い。
深呼吸して落ち着かせる。
彼は直進で走ってきた。
回復は自分や仲間の身体能力を大幅に上げることが出来る。
僕は風を凝縮させて矢を作る。
キラキラと薄い緑色のそれを彼に目掛けて飛ばす。
かすった頬を見ると血が流れている。
でも全部躱されるとは思ってなかったな。
僕は風を身体に纏い、真っ向勝負することにする。
想定外だったのか焦る彼。
多分魔法の対処は慣れているが、人と組手の実戦がないんだと思う。
そりゃそうだろう。
魔法のが強いのだから。
僕も普通なら武器もないのにこんなことしないしね。
彼に蹴りを入れ倒れたとこを触った。
そう声をかけられる。
兄…?なるほど双子か。
この人達とは距離を置こう。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!