そう話す彼ら達を後ろから見る。
いじめられていることがバレてしまった…。
頼ってほしいと訴えるその目は真っ直ぐで綺麗で。
僕は嬉しかった。
そう覗き込まれて我に返る。
なんでもいいんだけどな。
適当に軽いものを頼んで座る。
ワイワイ話して食べるご飯は美味しくて。
美味しいなんて久しぶりに思ったな。
彼らといれば…なんて考えて辞める。
僕といれば今後いじめなどに巻き込まれる可能性だってある。
それはやだなぁ…。
じっと見てたのがバレてしまった。
なんでもないと笑う。
近くも遠くもない関係。
それでも僕には楽しくて。
多くは望まないからさ。
もう少しこのままで…。
✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!