第10話

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2020/11/11 08:00
カリム
カリム
ふぁ〜あ…
カリム
カリム
ジャミル…メルト…おやすみぃ〜。
ジャミル
ジャミル
ああ、また夜に目が覚めたからって外を出歩くんじゃないぞ。
カリム
カリム
ん〜〜。
眠そうなカリムと別れて、メルトはジャミルの後ろを歩く。
その時、ジャミルにいくつか質問され、メルトはそれに答えつつ、これまでの出来事を話した。
ジャミル
ジャミル
俺ばかりいろいろ聞いて悪いな。
メルト
メルト
いや、
ジャミル
ジャミル
なにか俺にも聞きたいことはないか?
メルト
メルト
………あ、カリムの従者っていうのは…?
ジャミル
ジャミル
ああ、カリムはあの大富豪"アジーム家"の長男なんだ。
ジャミル
ジャミル
そこで俺は、小さい頃から従者としてカリムに仕えている。
メルト
メルト
へぇ……
ジャミル
ジャミル
っと、着いた。
ジャミルが1つの部屋の前で立ち止まる。
ジャミル
ジャミル
ここがメルトの部屋だ。
ジャミル
ジャミル
ちょっと騒がしいかもしれないが、学園につづく鏡が近いから迷うこともないだろう。
メルト
メルト
ありがとう。
ジャミル
ジャミル
慣れてきたら部屋を変えてもいいし。
ジャミル
ジャミル
まあ、なにかあったら俺を呼んでくれ。
"それじゃ"と言ってジャミルは自室に帰って行く。
メルト
メルト
お、おやすみ。ジャミル。
ジャミル
ジャミル
ああ…、





     スカラビア寮ーメルトの部屋ー
メルト
メルト
…やっぱり窓ない……
白い壁に開放的なつくりの1人部屋。

ベッドには赤色の天蓋が付いている。
メルト
メルト
……………
1人になって気を抜くと、疲れがどっと押し寄せる。
部屋の時計は午後11時半をまわっていた。
メルト
メルト
"ルナ"、おれのこと探してるだろうな…。
メルト
メルト
入学式行くって言ったのに……。
絶対怒られる…
今日のことを振り返りながら、しばらくぼーっとベッドに座っているとメルトの着ているセーターと手袋が光り出した。

 "キラキラキラ"
メルト
メルト
っ……、まずいな。
時計が12時をまわると、キラキラと光っていたセーターと手袋は消えてしまった。
メルト
メルト
替えのセーターと手袋、また"フェアリーゴッドファーザー"につくってもらわないとな…
メルト
メルト
___でもここにフェアリーゴッドファーザーはいない…。
メルト
メルト
はぁ…
どうしたものかと考え込む。
これからうまくやっていけるのか、いろいろな不安がメルトの頭を埋め尽くす。
メルト
メルト
っ……。だめだ。落ち着け…
メルト
メルト
こういうときこそ強い気持ちを持つんだ…
メルト
メルト
「強い気持ち、優しい心、
賢い選択、諦めない志。こころざし
メルトは自分に言い聞かせるように、ロイヤルソードアカデミーの教えを呟く。
みんなが寝静まった砂漠の夜は、とても静かだった。
部屋のハンガーにかかった上着ジャケットの襟には、ロイヤルソードアカデミーの生徒証でもあった、魔法石のブローチが付いている。
メルト
メルト
っ……。
寂しい気持ちを押し殺すように目を瞑る。
すると、睡魔に襲われてメルトはベッドに沈む。
メルト
メルト
………
 ……………





_____メルト



_____メルト





誰かの声がする。





     ……………メルトはいつかの夢を見た。

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