第35話

11-3
11,165
2020/11/14 08:00
メルト
メルト
………


静かな音色から始まるこの曲は、
まるで降り出した雪を表現しているようだ。

前奏が終わり、歌が始まる____
メルト
メルト
………___ _♪__ _ _____♪

メルトは戸惑いながらも、
自信なさげにつぶやくように歌い始めた。
ケイト
ケイト
うん。いいよ。
演奏しているメンバーは、
メルトの声を拾うように音を下げる__

   ___♪ _ ____♪______ _♪

静かな会場に響く自分の声が、急に寂しく感じて、
怖くなったメルトは目を瞑った。

   ___♪_ _ ___♪ ___♪ ..........



メルト
メルト
…__♪..____ __♪
すると、目を閉じた暗い世界に呼びかける声が聞こえた___


カリム
カリム
メルト、オレがいるぞ。
リリア
リリア
間違えてもわしがサポートしてやるぞ。
ケイト
ケイト
大丈夫。いいカンジだよ!


怖くて瞑っていた目を開き、メルトが周りをみてみると、
そこには、自由に、思い思いに楽器を演奏するメンバー。

その姿は、なにより音楽を楽しんでいるようだった。
メルト
メルト
っ…__♪ ______♪
   ___♪__ _♪  ____________♪



そしてとうとう曲のサビに差し掛かる___
カリム
カリム
メルト、自信もって!
リリア
リリア
わしに食われるでないぞ?
ケイト
ケイト
メルトくん。いっくよ〜



メルトは頭の中にある不安、悲しみ、寂しさを忘れて、
しっかりと前を見て歌い始める_____

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