第192話

61-1 〜偽りの双子〜
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2021/04/30 14:00
ルナ
ルナ
物心ついた頃、ふと思ったんだ。
双子なのに全然似てないって
ジャミル
ジャミル
…二卵性双生児だったんじゃないか?
ルナ
ルナ
だとしても全く違ったんだ。
容姿もそうだけど…魔力も…
ルナ
ルナ
……メルトだけが
あきらかに異質だった。
メルト
メルト
……
ジャミル
ジャミル
確かに、どこに行っても噂になるほど
異質な存在感を放ってそうだな。
ルナ
ルナ
ああ、城の中でも噂になってた。
ジャミル
ジャミル
城!?…お前らの家は城なのか?
ルナ
ルナ
一応、倉庫の街にある王家の一族だから。
ジャミル
ジャミル
うそ…だろ……コイツ王子様だったのか。
全然気づかなかった。
ルナ
ルナ
それで、なんで似てないのかお母様に聞いたら、こっそり話してくれた。
ルナ
ルナ
俺がお腹にいる時、ふと思い立って散歩に出かけると行き着いた先で赤ん坊を見つけたと_
ジャミル
ジャミル
それって…
ルナ
ルナ
…メルトは捨て子だったんだ。
メルト
メルト
……
ルナ
ルナ
不憫に思ったお母様は産まれてくる俺とメルトを双子として一緒に育てることにしたらしい。
ジャミル
ジャミル
……、
ジャミル
ジャミル
ルナとメルトの血が繋がってないってのは
わかったが、…その_
ルナ
ルナ
容姿のこと言いたいんだろ?
ルナ
ルナ
これは俺のユニーク魔法だ。対象の相手に偽りの光を見せることができる。
ジャミル
ジャミル
ユニーク魔法…幻覚のようなものか?
ルナ
ルナ
人は反射した光を目に映して"見る"訳だけど、俺はそれをいじって偽りの光を見せてる。
ルナ
ルナ
無意識にメルトに少しでも近づこうとしてたら出来るようになった。ここまで似せるのにかなり時間がかかったけど。
ジャミル
ジャミル
そんなに難しいのか?
…いや、それはそうか。
ルナ
ルナ
無機質な物とかならしっかりとしたイメージさえあれば簡単だけど。動物とか偽るものがその意思によって動いてたりすると難しい。
ジャミル
ジャミル
(…このユニーク魔法は厄介だな。)
ジャミル
ジャミル
(さっきから何度も試しているが…防衛魔法では見破れない。)
ジャミル
ジャミル
凄いな。でも自分のユニーク魔法を
俺に話してもいいのか?

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