クルーウェルが、凍った方の腕をメルトにまわした状態で廊下を歩く。
身長183cmのクルーウェルが着ている白と黒のコートは、メルトをすっぽり覆っている。
………
実は先程から、クルーウェルが火属性魔法を火傷しない程度に使って、じんわりと手をあたためているが、氷はいっこうに溶けない。
どんなに溶かしても、メルトがまた凍らせてしまっているからだ。
そう言って、クルーウェルは空いている方の手で、メルトの頭を優しく撫でた。
メルトははじめびっくりして体をこわばらせるが、しばらくクルーウェルに撫でられていると緊張が解けて肩をおろす。
校舎を出て少し歩くと、小屋のお店にたどり着いた。
そう言って、店の中へと入った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!