第2話

第一部  其ノ壱
「西癒庵」の店主が亡くなってはや幾年
普通は人がすまなくなった家や店は朽ち果て行くとのですが、この店は今も開店しているように、店先は綺麗に履き清められている。
ちょっと窓から中を覗くと、店の中も綺麗に掃除がされているようだった。
ある日の夕暮れ時、「西癒庵」の前に佇む一人の男性。
スラッとした体型 サラサラのストレートヘアー 佇まいも凛としているが、冷たい印象ではなく、なぜが暖かい雰囲気に包まれている男性だ。
その人を、店の前の椅子の下から眺めていたら。
じゅん
じゅん
おや?可愛い子がいるね
そう言うと私を抱き上げて
じゅん
じゅん
本当に可愛いね。迷い猫かな? 行くところがないなら、俺のところに来るかい?
ジャスミン
ジャスミン
ニヤー
じゅん
じゅん
そうか じゃぁ決まりだね 迷い猫さん
ジャスミン
ジャスミン
ニヤー
じゅん
じゅん
ここはね、僕の祖父がやっていた甘味処なんだ。小さい頃から兄とよく来ていてね。
祖父の入れるお茶が大好きだったんた。
祖父が最後までこの店のことを気にしていたんだけど、引き継ぐ決心がつかないまま今日まできてしまった。
でも、やっぱりこの店はなくしたくないしと思って、また開くことなしたんだよ
あきと
あきと
じゅん?
じゅん
じゅん
あきと どうしてここに?
あきと
あきと
いや~ 考え事しながら、街をぶらぶらしてていたら、聞き覚えのある声がしたからさ
じゅん
じゅん
考え事をしながらね~
あきと
あきと
でもここってどこ? 俺らの街にこんなところあったっけ?
それにこの店 見たことないけど
じゅん
じゅん
うーん。 一言で説明は難しいから、中で話さないか?
あきと
あきと
おん ええけど、高そうな店やで、大丈夫か?
じゅん
じゅん
あっ ここは俺の店
あきと
あきと
えっ じゅんの店なんか?
じゅん
じゅん
俺の店になるのさ
あきと
あきと
は?なる?
じゅん
じゅん
ここは祖父の店だよ
あきと
あきと
えっと おじいちゃんって・・・・
あ~ 子供ん時いつもお菓子くれた あのおじいちゃん
じゅん
じゅん
そう
あきと
あきと
えっ、でもだいぶん前に亡くなったって聞いてたけど
じゅん
じゅん
そうなんだ
あきと
あきと
でも、ここめちゃくちゃキレイやし、あっ他の人が店をやっていて、
それをじゅんが買い取ったとか?
じゅん
じゅん
いや 祖父はこの店は売ってないよ
あきと
あきと
じゅんが掃除に来てた?
じゅん
じゅん
いや 祖父の葬儀以来 こには来てないけど、どうしてそんなこと聞くんだ?
あきと
あきと
めちゃくちゃきれいに掃除してあるしさ、お店やってみるみたいに感じるし 
じゅん
じゅん
だから それも含めて、中で話するよ。あきとの今後にも関わってくるだろうし
あきと
あきと
えっ 俺の今後に関わるって 怖いこと言わんといて
じゅん
じゅん
怖くはないよ でも  ここで話しててもあれだから入ろ
あきと
あきと
おん
ガラガラガラ