第11話

第一部 其ノ拾
あきと
あきと
でも不思議よな
とも
とも
なにが?
あきと
あきと
俺らがその路地から出てきても誰も気にせえへんしさ
とも
とも
後ろ振り返ってみたけど、細い路地で、あんな風景が開けているなんかわからんからな
あきと
あきと
でも、来る人は来る
じゅん
じゅん
そう
あきと
あきと
店がつぶれるってことは無いってことか
じゅん
じゅん
そう
とも
とも
それだけこの現在に疲れている人が多いってことやんな
じゅん
じゅん
そう
あきと
あきと
さっきから、そう、しか言わへんけど
じゅん
じゅん
そうとしか言いよう無いやんか、二人の質問には。俺もあんまりわからんしさ
とも
とも
えっ、そうなん?
じゅん
じゅん
おん、祖父とは一緒に住んでいなかったし、
でも、昨日奥の部屋をちょっと探したら、
祖父の日記のようなものが出てきたから、それを読もうとおもったら
急に眠気が襲ってきてさ、寝てしまった
あきと
あきと
それって、読むな~っておじいちゃんが言っていたりして
とも
とも
あり得るな
じゅん
じゅん
ないない、昨日店の中ウロウロしてたから疲れただけやし、
これからいろいろわかってくることもあるやろうしな
あきと
あきと
急いで知らんでも、いつかはわかることやろうからな
じゅん
じゅん
さて、早く買い物して帰ろう。ジャスミンが寂しがっているからさ
あきと
あきと
また、ジャスミンか
とも
とも
迷いネコやったから、そんなに束縛したら嫌がるで
じゅん
じゅん
えっ、ジャスミンに嫌われたら俺泣くわ
あきと
あきと
はぁ?昨日会ったばっかりの猫やで
じゅん
じゅん
ジャスミンと俺は運命の出会いをしたんや
あきと
あきと
なぁ、じゅん
じゅん
じゅん
なに?
あきと
あきと
彼女おらんやろ?
じゅん
じゅん
おん、おらんけど、なんで
あきと
あきと
やっぱりな。猫に運命の出会いって、サラッといえる奴はおらんやろ
とも
とも
そうやな
じゅん
じゅん
俺は、西癒庵を継ぐか継がないかで悩んでいたから作らへんかっただけや。
その気になったらすぐに彼女くらいできる
とも
とも
いやいや
あきと
あきと
でけへんわ
じゅん
じゅん
はぁ?みとってみ、すぐに彼女作ったるから
とも
とも
そしたらジャスミン悲しむかもな
じゅん
じゅん
えっ、やっぱり作らへん
あきと
あきと
ほら~
じゅん
じゅん
もう、からかうなや
あきと
あきと
ごめん、あっこの店は行ってみていいか
じゅん
じゅん
コーヒー専門店か、まずはここから見ていくか
あれやこれや話をしながら、それぞれが必要と思っている物や店で必要なものを買い揃えていく