りうらが来て1ヶ月。この生活にももう慣れた。
思い返せば、依歩が来てから
俺の生活には色がついた気がする
今までモノクロで、何をやっても何も感じなく
ただ嘘の笑顔を貼り付けて
家に着いたら仮面を外す
そんな毎日だった
考えると、俺はこの
「生きる希望のない人間」に助けられて
生きてきた
でも俺は「生きる希望のない人間」を
賽の目が6の限り殺し続けなければいけない
恩人の部類を殺し続ける。
という無礼な者だ
普通はその恩人に一生涯尽くし
感謝するのが存在価値の化するのだろう。
じゃあ俺の存在価値ってなんだ?
なんだ?
あれ
俺の生きる意味ってなんや?
…き
…にき…き!
ぁにき!
あにき!!
俺はおかしくない。
ちがう…ちがう…!
大丈夫、俺なら大丈夫。
気づいたらまた戻っていた
また、前の誰も信じられない自分に
彼らにも嫌われてるんじゃないか
俺の生きる価値は?
そんな事を考えるうちに
もう誰も信じたくない
そう思うようになってしまった
そこから始まってしまったんだ
「リストカット」が
ザクッ、シュッ
と肌を斬る音が響く
あぁ、
そう実感させてくれるのはそれだけだった