第6話

過去【じんたん】
1,115
2018/01/21 12:41
テオくん
あのさ、なんでひとりなの?
俺は、答えに詰まった。




この人に言ってもいいのだろうか。



信じてもいいのだろうか。



また捨てられるのではないだろうか。
テオくん
あ、言いたくないなら言わなくても………
じんたん
……………えと、
言っても、いいです、か……?
テオくん
うん、いいよ
じんたん
俺、小学校か中学だっけ………
忘れたくてよく覚えてないんですけど…
そのくらいの頃、裏切られたんです。
信じてた友達に。
まるで、天国から地獄に落とされたみたいに。




ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー









俺は小学生か中学生の頃までは普通に生活していて、

すごく充実していた。



すごく仲がよかった、親友とも言えるようなくらいの人だって居た。


信じてた。


大好きだった。


相棒だった。







だけど、そう思ってたのは俺だけだった。




聞いちゃったんだ。


相棒だと思ってた人が、俺の悪口を言っていたことを。
親友?
んでさぁ、じんがさ最近、
マジでムカつくんだけどwww
友達1
あ、それわかるわ
あれはムカつくよなwww
友達2
てかさ、いつまで続けんの?
友達3
そろそろよくね?
親友?
そうだな




それで、俺は放課後、体育館裏に呼び出された。




じんたん
な、なに?
親友?
いや〜、話したいことあってー
ドッキリだった?


騙しただけだった?







だけど、俺の求めた答えとは違った。
親友?
お前って、ホントムカつくわ
その子の目は本気だった。


周りの友達も。




まるで汚いものを見るかのように、

俺を見ていた。
友達2
ホントホント、ムカつく
友達3
もう学校来んなよ
友達1
来てもいいけど、
お前クラスで浮いてるからな?
親友?
簡単に言うと、"ボッチ"ってこと
じんたん
…………………………
友達2
なんか言えよ
俺の口は、決して開かなかった。



いや、開けなかった。
親友?
帰ろーぜ
友達3
そーだな
友達1
じゃーなー、ゴミ
親友?
いっそのこと、死ねばいいのに
死ねばいいのに。





俺は、本気でそう思った。


消えちゃえばいいのにって。




初めて死にたいと思った。








だけど死ねなかった。









次の日、俺は学校へ行った。




昨日のはドッキリかもしれない。





そう思いたい。




だけど、違った。
親友?
うわ、あいつ学校来たのかよ
友達2
来んなよ
友達3
死んだかと思ったw
友達1
はははwww
あいつらは、わざとらしく言った。







俺はその瞬間から、人と関わることをしなくなった。





友達も作らず、思い出もいらない。







だって、





















失うのが怖いから────



ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー





テオくん
………………そんなことがあったんだ
じんたん
は、はい、ごめんなさい…………
なんか雰囲気悪くしちゃって……………
テオくん
いや、いいよ
てゆーか、友達サイテーだな
じんたん
………………え?
テオくん
いや、だって今までずっと騙してたわけでしょ?
じんたん
………まあ
テオくん
ホント、許せない………




この人って、案外誠実な人なんだ。



でも、まだ信じちゃダメ。




俺はそうやって騙されたから。
じんたん
あ、俺ここで…………
ここ曲がったら家なんで………
じゃあ
テオくん
あ、そうだ!
じんたん
………はい?
テオくん
あのさ!
なんか敬語だと固いからさ、
タメでいいよ!
じんたん
あ、いや、まだ………
テオくん
そっかぁ…………
じゃあさ!俺じんたんのあだ名つけたから、
じんたんも俺にあだ名つけてよ!
じんたん
あだ名、ですか………?
普通、タメで入ってあだ名でしょ。



この人、やっぱ変わってるなぁ。
じんたん
じ、じゃあ、寺島なので、
…………………テオ、くん、とか………
どうですか?
テオくん
テオくん??
おお!やった!!
初めてのあだ名だぁ!!
じんたん
え?あだ名って初めてなんですか?
テオくん
うん、そーそー。
ずっと寺島だったもん
へー、意外。
テオくん
あ、ごめん! また引き止めちゃった!!
じゃあな!
じんたん
は、はい
そうやって、寺島………









いや、テオくんは走って行った。




















かるらー
かるらー
すいません、長いですね(´;ω;`)

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