俺はいつの間にか言ってて、
そんでじんたんの家にお邪魔した。
じんたんの部屋は綺麗だった。
それに、
とても静かだ。
素直にそう思った。
俺の部屋もそこまで汚くはないけど、
じんたんほど綺麗じゃない。
そんなこと考えてたら、
学ランだ。
しかもボタンがなにもない。
これって………
言わなきゃよかったかもしんない。
でも、
俺は言ってしまった。
ほら、じんたんも困ってる。
でもなんで困るんだ?
期待させんなよ…………
ああ、
そんなことか。
まあ、
当然だよな…………
俺はいつものテンションで言った。
深い意味をこめてね。
そして数時間後、
色んな話をしてたらもう外は暗かった。
帰らなきゃな………
寂しいよ、
悲しいよ、
でも帰んなきゃいけないんだ。
帰らないとじんたんにバレてしまう。
その瞬間だ。
じんたんが俺の腕を引っ張った。
でもあいからわず俺よりは力が弱い。
その前になんで引っ張った??
じんたんは我に帰ったように慌てた。
だけど腕は掴んだままだ。
じんたんはなにも言わずに目をキョロキョロさせていた。
自分でもなに言ってんだ?
って思ったよ。
その瞬間、
じんたんは俯いて泣き出してしまった。
なにか言ったかな?
それだったらごめん!!!
俺は耐えきれず、
じんたんを抱きしめた。
引かれるかもしんないけど、
こんな姿見たらほっとけない。
じんたんは必死に言っていた。
喋りにくいのに、
ごめん………
……………………え?
は?
ええ?
俺は頭が元から真っ白なのに
もっと真っ白になった。
じんたん今、
好きって言った?
俺に?
しかも大好きって。
でもじんたんの好きは俺とは違う。
と思う。
でも気持ちは伝えたい。
今だけ。
じんたんはそんな気持ちじゃないかもだけど、
じんたんの好きに隠して俺も伝えるよ。
ああ、
じんたんもそうだったんだ。
すっごく悩んでたんだ。
なんで早く気付いて上げれなかったんだろ。
あんなに見てたのに、
あんなに好きなのに、
ごめんな………
俺はじんたんをまた抱きしめた。
じんたんはまた泣いた。
わんわんと。
子どものように。
そんなじんたんを俺はずっとずっと抱きしめた。
END
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。