日曜日。
今日はなにも用事がない。
だからこれからアニメイトへ行くつもり。
たくさん買うぞー!!
ガチャ
俺は無意識に誰も居ないはずの家に向かって言った。
今日は気分がいい。
今日のアニメイトには限定のフィギアがある。
個数が決ってるから早く行かなきゃ!
急いで走ったけど、このままじゃ間に合わないかもしれない。
……………確か、この路地が近道だっけ?
俺はその近道の路地に入って行った。
朝と昼の間なのに結構暗い。
ざ……
後から足音が聞こえた。
振り返るとそこには…………………
あいつらだ、俺を裏切った、
いや、
もともと裏切るつもりだったやつら。
逃げたい。
だけど体は言うことを聞かない。
口もまともに動かなかった。
ついには財布を取られた。
やっと口が開いた。
もうなにも言えない。
お願い、もう帰ってくれ………
ず、図星………
思いっきり腹を蹴られた。
それで俺は倒れた。
誰かに顔を踏まれた。
目を開けれない。
鼻血が出た。
リーダーの靴が俺の口の中に思いっきり入ってきて、
ものすごく痛かった。
意識は今にも遠のきそうだった。
助けて、
テオくん……………………………
や、やっと帰った。
もうボロボロだ。
無意識にテオくんを呼んでた俺はきっと、
テオくんのことが好きなんだ。
でも、ドラマでもアニメでもないから
助けに来ることもなくて、
ただただ、
テオくんに汚い想いを抱いてるだけだった──────
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。