次の日になった。あれから二人は話し合い、早いうちに、つまり今日の夜にしてしまおうと考えたのだ。事前に資料に目を通してはいるが、やはり心配なので打ち合わせをしたいと思ったのだが……。
一応入っておいた方が良いと思って適当に選んだ図書委員だが、これが本当に面倒だ。しかも、その受付係が今日だなんて。人気もなかったので本棚の一角にある『神話』のコーナーで例のパンドラのことについて調べ始めた。
『パンドラ:
美の女神から男性を惑わす美しさ、技芸の女神から機織りの技術、盗人の神からずる賢い気質を与えられた少女。人間への罰としてつくられた』
一気に親近感が湧いてきた。そして、そんなパンドラに例えられるほどの宝石に対して、盗みたいという欲が出てきた。考えるだけで全身がぞくっと震える。
結局誰も来ないままチャイムが鳴り、レッドは爆速で図書室から教室へ帰っていった。教室で待つブルーと、次の授業が始まる少しの時間で打ち合わせをするために。その後の授業は一回もサボることはなかった。
もう帰る時間だ。二人は一番に教室から飛び出し、家に帰って必要なものを取りそろえる。と言っても必要最低限、コートのポケットに入るくらいの量だ。
時刻は17:00、二人は顔を見合わせると、エリトラで天高く飛んでいった。
虎目です。今回の話は短すぎるので、明日もう一話投稿したいと思います。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!