電停に降りると莉犬くんはうちの手を引いて歩き始めた
どこに行くの?って聞いても…
その繰り返し。
夏の太陽は働き者で
もう少し休んでくださいって頼みたいくらい
少し歩いて着いたのは、
『〇〇区民文化センター』
区民文化センター…?何故に…?
そのまま3階の01室って所に入った。
エアコンが効いていて一気に汗が引いた
中ではたくさんの人が談笑していた
状況が飲み込めないうちは莉犬くんの袖をひっぱった
バッと莉犬くんに目を戻すと、
顔を真っ赤にして後頭部をかいていた
ホワイトボードには黒い字で、
「第32回障がい者を理解するための会
〜今日はコミュニティ!!〜」
少し驚いた顔をして、
莉犬くんはうちの手を引いて隅の席に座った
莉犬くんは
片手で顔を覆ってうちと目を合わせようとしない。
手をどけると、
髪とおんなじくらい真っ赤な顔をしていた
その顔で睨まれても怖ないよ?
うち、この人好き!
ずっと、仲良くなるの諦めんでよかった…。
〜〜〜
スマホとにらめっこを始めてどれくらいたっただろうか…
今朝あなたから来た電話
そこに記されているアイツの電話番号……
何自分に怒鳴ってんだろう!
もう本当になんなんだろ
あなたにはペース狂う……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。