コップを一つ取って氷を入れてお茶を入れる
一気に2つずつとかできんのに一々そうやる様子に
(頭使えねぇのかよ)
そう思ってしまった。
よく考えたら知能障害あるんだから変な話では無いし
丁寧って考えたら普通だ
なのに態々悪く考えてしまうのは、
染み付いたイジメの癖
氷だけ入ったコップを両手で持って
キョトンとした顔でこっちに向き直る
許してくれなくてもいい…
許されるなんて思ってない
初めてあなたの感情が読み取れない
顔見れなくって下を向く
すると___
抱きしめてくれた
骨が軋むくらい強く強く…
それで思った
俺があなたをイジメてから無くなって、
今やっと触れられたもの
骨が軋むくらい……折れるくらい……
それくらい強くて純粋な温もりだ。
自然と涙が溢れてきた
お盆に乗せてあなたが持っていこうとする
でもバランスが悪くってガタガタしてる
取ってあなたの顔を見ると…
めっちゃいじけてた
ほっぺ膨らまして下向いてた
ほら、こんなに可愛いじゃん
分かり合えるじゃん
一緒に笑えるじゃん
今まで何やってたんだろ
〜〜
ようやるな、莉犬
隠れてみていた
素直に凄いって思った
何で今更会ったんだろ
莉犬は“もうイジメたくない”って言っていた
イジメたくない……イジメてしまうかもしれないけどしたくない
そういう意味やろ?
本当の意味での笑顔にはまだまだ遠いな
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。