第39話

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2022/12/08 06:29
コトミネ side










トントントン










『、!』







「{琴嶺くん初めまして。

私の名前は 里音 煌李さとね きらりです。}」







『{僕の名前は琴嶺新野です。}』







「{知ってるよ!どうして手話やってるの?}」







『……。

{声が出なくなっちゃたんだ。}』







「、!

{そうだったんだ……だから今は活動休止してるの?}」







『…。』((頷







「{そっか……

SnowManには戻らないの?}」







『{戻りたい、けど……}』






















なんて言ったらいいか分からなくて



俯いてしまう






















「新野、くん。」







『、!?』







「声、出てるかな?」







『…!』((頷







「耳、聞こえなくなってからあんま喋ってなかったから、

ちょっと喋りにくい。今から筆談で話すね。」

























そう言って引き出しを漁って、紙とペンを出した























「[新野くんは声が出なくて私は耳が聞こえない。

それって同じ人間じゃないって思う?]」














俺は首を横に振った


















「[でしょ?

私、新野くんの歌とダンスがすごく好きなの。


耳が聞こえなくなるって知ったとき、もう新野くんの声が聞こえなくなるって思うとすごく悲しかった。]」








『{なんとなく気持ちがわかる気がする。}』







「[けど、今も新野くんの事とかSnowManはものすごく大好き!]」































なんだ、なにかが手を伸ばしてくれてる感じがする






















「[私みたいな中途失聴者だけじゃなくてろう者も新野くんのファンにいる。

もちろん歌は聞こえない。けどその分、新野くんから溢れ出てくる感情が見えるダンスとか表情を見るのが大好きなの。


ここはどんな曲調なのかな〜とかどんな気持ちで踊ってるのかな〜って見入っちゃう!]」























きらりちゃんの方を見るとニコニコ笑っている


























「[新野くんは少なくとも私にとっては生きるキッカケになってるよ。]」



























そこまで考えたことがなかった





























自分のファンに障害がある人がいて、けどずっと応援してくれている





















こんな素敵な笑顔を見せてくれる人がいる




























『{俺は、良くない考え方してたのかもしれない…}』







「{そんなことないよ。私もそうだった。}」







『{きらりちゃんは何歳なの?}』







「{私は14歳!}」







『{14歳!?高校生かと思った。}』







「{ひどい!}笑」







『{ごめんごめん}笑』






























手話や筆談を通して、たくさんの会話をした



























最近、仕事で切羽詰まったのもあるから















自然と笑えたし楽しかった







































先生「{たくさん話せました?}」







「{うん!}」







『{きらりちゃんありがとう。

俺、頑張ってみるね。}』







「{うん!応援してる!!!}」













































『{先生、僕はもう退院はできるんですか?}』







「できますよ。」






































もう、逃げないんだ





































『{僕、退院します。}』

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